【今日の新聞から】電車のホームで号泣したネパール人の男性に「日本社会での生きづらさ」を思う

「社会福祉士⇔新聞記者」というコラムを読んだ。木原育子氏という記者のコラムだ。JRの駅で遭遇したネパール人の男性の投身自殺騒ぎについてだった。木原氏がホームで電車を待っていると、その男性が閉まっていたホームドアを乗り越えた。「危ない!」と通りがかりの男性らと必死に引きずりおろして事なきを得たが、そのあと男性が号泣して「日本人はとても厳しい」と木原氏に語ったという。
まず、記者ではなく一人の人間としてこの男性に向き合った木原氏に拍手を送りたい。木原氏の経歴を東京新聞のサイトから以下に転記する。

木原育子(きはら・いくこ)=特別報道部
愛知県出身、2007年中日新聞社に入社。2015年から東京社会部で警視庁や都庁担当を経て、2020年から特別報道部。精神医療や司法福祉、児童養護など福祉に関わる社会課題を中心に取材中。アイヌ民族を巡る差別問題では、2023年のメディア・アンビシャス大賞を受賞。社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得し、東京新聞特報面で企画連載「社会福祉士⇔新聞記者」を掲載している。戦時下のある家族の物語を描いた絵本「一郎くんの写真」(福音館書店)、共著に「戦後の地層」(現代思潮新社)など。趣味が高じてヨガインストラクターとしても活動中。(2024年2月27日更新)

木原氏はネパールに思い入れがあるという。学生時代にネパール支援のNGO団体に所属していて、何度も僻地の母子保健や教育支援にかかわったという。どうりで、現在も精神医療や司法福祉、児童養護などの福祉をはじめとする社会問題やアイヌなどのマイノリティの取材を続けているわけだ。そして学生時代のその夢や思いを実現している木原氏の信念に二度驚いた。

私もネパールには思い入れがある。いくつもの番組を制作して、何度もネパールを訪れた。好きな国の一つだ。その国から、おそらく出稼ぎに来ているのであろう男性に「日本人はとても厳しい」と言わしめる。それは悲しいことだと思った。ネパールの大自然、特に私はヒマラヤが好きだったので、いまでもあのレンガ造りの民家の向こうに見える雪山の景色を思い出す。そんな「おおらか」で「雄大」な場所からやってきた人にとっては、日本はあまりにも窮屈でつらかったのだろうか。自分の存在を消してしまいたくなるような何が彼の身にあったのだろうか。事実はわからないが、もしかしたら何らかの「ハラスメント」があったとも推測される。
それを考えると胸が痛く、涙が出そうになる。

ネパールの人々のあの笑顔。それがこの日本でも見られる社会にしたいと思った。

「日刊ゲンダイデジタル」HPより

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