【おススメドラマ】AmazonPrimeの『龍が如く』はネット評価以上の出来~竹内涼真氏のドラマツルギーが完璧!

AmazonPrimeで10月25日から配信が始まった『龍が如く〜Beyond the Game-』のエピソード1の3話を観た。
ご存知の通り、これは2005年にPlayStation2用ソフトとして発売され、人気シリーズとなった『龍が如くの実写ドラマ化である。数か月前に、AmazonMGMスタジオ(AmazonがMGMを買収して作った)が制作することが発表され、トレーラーが公開されてキャスティングが物議を醸していた。
なるほど、主演の竹内涼真氏をはじめとして、(以下、敬称略)賀来賢人、河合優実、高岡早紀、佐藤浩市、加藤雅也、宇崎竜童、唐沢寿明といった日本を代表する俳優が勢揃いしている。
最初に見て、時代設定となっている1995年や2005年の時代感、架空の都市(歌舞伎町をイメージ)神室町の再現具合に手抜きが見られなく、スタッフや美術陣の心意気を感じた。バックに流れる音楽、街のあちこちに貼られているポスター一枚にもこだわりが見られ、「モノづくりの魂」を感じて嬉しくなった。

ネットなどでは、「ゲームのファンが見てがっかりした」とか「あれは『龍が如く』ではない。別物だ!」という声も見られるが、私はよくできていると評価したい。
竹内氏の桐生は華奢すぎるとか、賀来氏の錦は長髪であってほしかったとか、もちろん、原作ファンの気持ちも大事だが、「原作を知らない人にも楽しめるエンタメ」という意味では一流だと思う。視聴者の皆さんには、広い心で「原作とは違うもの、それを超えるものを創り出そう」という制作陣の心意気を評価してほしいと思う。
こういった原作やモデルがある場合の「リメイク」にはリスクがつきものだ。それは創り手側もよく理解している。それをあえて踏み切ったという「チャレンジ精神」を感じてほしいのだ。
そしてこういった場合に、役者や脚本に対するバッシングが始まることがある。それは、愚かなことだと私は言いたい。ドラマ『セクシー田中さん』のときのことを思い出してほしいのだ。あのときと同じ轍を踏んではいけない。

竹内涼真氏の演技は真に迫っている。自分のドラマツルギーをよく理解している。
私は以前、竹内氏とテレビ東京の特別ドラマ『ペルソナの密告 3つの顔を持つ容疑者』でご一緒した際に、竹内氏の役の作り込みのすごさを目の当たりにしている。イヴァナ・チャバックの演技術(「俳優力で勝つための12段階式メソッド」という副題がついている)を徹底的に学び、習得している竹内氏は「自分はなぜその行動をするのか」といった行動心理学や「自分はそのドラマにおいてどんな役割なのか」といったツルギーを常に考えて表現をしている。そのため彼の演技は論理的であり、演じるひとつひとつの行為に違和感がない。ここまで考え抜いて自分の表現をする俳優は、日本にはまだ少ない。竹内氏はその一人であり、そういった意味で「竹内版桐生」は竹内氏自身が理論に基づいて作り上げた「桐生」であるから、もとのゲームのキャラと違っているのは当たり前なのだ。
だから、私は彼の演技が楽しみでならない。「おー、そう来たか!」「次はどう来るかな?」と期待して見ることができるのだ。これはエンタメとしては、最大の武器と言えるだろう。

今回はまだ、桐生の「親殺し」については描かれていない。「親殺し」とはヤクザの世界の用語で、自分の属する組の組長を殺すことだ。これはその業界では最大級の大罪とされ、「絶縁」の処分が下るどころか命を狙われるはめになる。竹内氏が、どんな「親殺し」を演じるのか。2024年11月1日に配信される残りの3エピソードが待ち遠しい。

「AmazonJapan」HPより

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です