【今日のタブチ】「お金があれば人は動く」と慢心した東京女子医大・元理事長の歪んだ感覚

東京女子医大の新校舎建築工事を巡る背任事件で、逮捕された元理事長・岩本絹子容疑者は、よく周りの人に次のように言っていたという。
「お金があれば人は動く。言うことも聞いてくれる」
「野心家」というより「慢心家」だと呆れる。関係者のなかには、高級ブランド品のネクタイやスカーフを贈られた人も多いというから、本人は本気でそう思っていたのだろう。
だとすれば、かわいそうな人だ。「創業者一族」という重荷を背負わされ、医師としての実績はそんなに多くないのに若くして院長になったり大学の要職に就くことを求められた。大きなプレッシャーもあっただろう。
そしてそんな環境に長い間いるうちに、自らの感覚や常識が歪んでしまったのか。
悲しいことだ。
お金で人は動くかもしれないが、人のこころは動かない。お金で動くような人は、本当の自分の味方にはなってくれない。そんなことに組織を率いるトップが気づかないことが嘆かわしい。
私は授業でいつも学生に伝えていることがある。
ビジネスの3原則「ヒト・モノ・カネ」はこの順番であることに意味がある。ヒトを大事にしてモノが生まれる。そしてその先に、カネが生まれる。必ずこの順番でなければならないと。
しかし、この元理事長はそうではなかったようだ。しかもそれが医大の理事長というから、背筋が寒くなる。
「大金を払う人の命を優先する」……テレビドラマの筋書きになりそうなことが、実際にあってはならない。

「日テレNEWS NNN」より

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