【今日のタブチ】「日米地位協定」を笠に着た米軍の横暴~PFAS立ち入り検査は遅きに失したか

「やっとか」というのが正直な印象だ。だが、日本側はこれでもかなり頑張ったほうだろう。日米地位協定を笠に着たアメリカや米軍は、日本側の立ち入り検査を拒み続けていたであろうことが推察されるからだ。
PFASを含む汚染水が横田基地から大量に流出したことが判明したのは、8月。その間、地域住民はうかうか寝てもいられないほどの不安を抱えて、日々暮らしていたかと思うと、気の毒でならない。と同時に、同じ日本人としてこの横暴を許してはいけない。声を上げなければならないと思った。
日米地位協定には「環境補足協定」というものが存在する。これは、「環境」という国民の生活に深く密着し、人命や人権に大きな影響を与える当該案件に関しては、従来の日米地位協定の運用とはまったく別次元での運用をおこなうという取り決めである。そのなかには以下のような条項がある。


(3)立入手続の作成・維持
 日本の当局が次の場合に米軍施設・区域への適切な立入りを行えるよう手続を作成・維持する。
(ア)環境に影響を及ぼす事故(漏出)が現に発生した場合。

今回のPFASの問題は、発がん性物質という人命にかかわる重要案件だ。にもかかわらず、立ち入り検査にまで4か月もかかってしまった。しかも、東京都と周辺自治体で作る連絡協議会が要望を出して、先方はやっと重い腰を上げたような状況だ。さらに言えば、これまでも補足協定に基づく調査が米軍に拒否されて実現しなかったケースも少なくないという。これでは何のための「協定」かと思ってしまう。
人の命を何と考えているのか。自国民ではないからいいというのか。
「戦後」は終わっていないと、改めて実感させられた。
こうしている間にも、汚染水が土壌の奥底に入り込んで地下水となり、PFASは拡散してゆくのではないかと心配でならない。
ここからは速度を速めて、迅速かつ徹底的な調査ならびに対策を立てなければならない。

「TBS NEWS DIG」より

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