【今日のタブチ】「炎上欲求」が止まらない~東京新聞「ネットと中傷」シリーズに見る「記者魂」

東京新聞で「ネットと中傷」というシリーズ連載が始まった。今朝の第一回目は、ネットでの「炎上」を狙って投稿を繰り返す若者を取材していた。
読んでいて、薄気味悪くなった。その若者の「炎上」目的は、カネではないからだ。「自分もあんなふうに注目されたい」「目立ちたい」という「炎上欲求」が強い。「知名度が上がるため」と言い放った言葉にカネ目的ではない怖さを感じた。
そして同時に、この取材を敢行する記者の「記者魂」を感じた。カネ目的ではない、こういったいわゆる「劇場型犯罪」は不気味だ。そんな相手を取材するのは至難の業であると同時に、覚悟がいる。身の危険を感じることもあるだろう。「劇場型犯罪」は自分が注目を集めることを目的とし、メディアや社会の反応を意識して行動する犯罪で、心理学的には「承認欲求型犯罪」とも言われることがあり、注目を得ることで自己の存在を証明しようとする傾向があるため、その目的のためには何をするかわからない。
私も過去に「ストーカー加害者」を取材する際に、「サイコパス」と思われる人物と会ったことがあるが、正直言ってその際には身の危険を感じた。「サイコパス」は良心が欠如しているという特徴があり、共感能力が著しく低く、衝動的な行動に出ることがあるため読めない。心理学や犯罪学的には、「反社会性パーソナリティ障害」と関連づけられている。
そんな経験があるだけに、今日の記事はわがことのように読んだ。取材には十分気をつけてもらいたい。
「記者魂」を称えつつ、記者の身の上を案じつつ、今後の記事を楽しみにしたい。

「東京新聞TOKYOWeb」より

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