【今日のタブチ】「16歳未満はSNS禁止」を決意したオーストラリア、その功罪を考えるーいつかは私たちに跳ね返ってくるという可能性

オーストラリア議会が、16歳未満がSNSを利用できないように事業各社に対策を義務付ける法案を可決した。保護者の意向にかかわらず全面禁止する法律が国家レベルで成立するのは初めてだ。
物事を短絡的に観るのではなく、「メリット面⇔デメリット面」といったように複眼的に観るようにと常日頃から学生に言っているので、この件に関しても功罪両面から観てみたい。
まず、メリット面だ。まず第一に何といっても「有害情報から守る」ということが挙げられる。また「さまざまな犯罪に巻き込まれないようにする」ということもあるだろう。日本でもSNSが闇バイトの温床になり、若者たちが犯罪に巻き込まれる例が後を絶たない。Xなどのアウトロー系インフルエンサーの影響も懸念されるところだ。
そしてデメリット面だが、まず「言論の自由」に抵触しないかという点が挙げられる。また、情報リテラシーの涵養が妨げられるのではないかという懸念もある。オーストラリアでは、こういったデメリットを差し引いても、今回「16歳未満はSNS禁止」を敢行しなければならないほど事態が深刻化しているのだろう。
以上の功罪両面からの考察を経て、私が警鐘を鳴らしたいのは以下の点である。アメリカでは一部の州で同様の法律が成立し未成年の利用制限を法制化している。フランスでは利用に保護者の同意を義務付ける施策を始めた。こういった世界の流れを単純に「グローバルスタンダード」と決めつけてしまうことは避けなければならないと考えている。「ほかの国がやっているから」といる理由や「若者だけを制限すればよい」といった限定的な先入観は目を曇らせる。SNSの悪影響を受けるのは、子どもと限ったことではないからだ。むしろ、私たち大人のほうがよっぽど過激かもしれない。
誹謗中傷ヘイトはもちろんのこと、「エコーチェンバー」「フィルターバブル」「確証バイアス」といった弊害をよく考えながらSNSという便利な道具を使用してゆかないと、いまは子どもだけの制限がやがて利用者全体に及ぶ可能性がある。運営者側も利用者側も、そう自らを厳しく律する必要があるだろう。

「TBS NEWS DIG」より

【今日のタブチ】「16歳未満はSNS禁止」を決意したオーストラリア、その功罪を考えるーいつかは私たちに跳ね返ってくるという可能性” に対して4件のコメントがあります。

  1. yamato より:

    「うちの子どもが幼稚園で変な言葉を覚えてきた」と聞いたことがあります。
    親目線なら不安要素の1つなのでしょう。転園も考えるかもしれません。

    そうした時、親はどうやって対処してきたのでしょうか。
    いろいろな知恵と経験と手段があったんだと思っています。

    1. 田淵 俊彦 より:

      yamato様
      コメントありがとうございます。
      しかし・・・すみません、今回のブログ記事とコメントの関連性が私には読み取れず、お返事を返すことができません。
      考えが浅はかで申し訳ございません。田淵 拝

      1. yamato より:

        田淵様
        大変失礼しました。
        ブログを拝見して、もし日本でSNS規制されるとしたら、その前に何かできることはないかと咄嗟に考えていました。
        どうにかできないかと考えていたら先のようなコメントとなりました。
        私がどうにかできる問題ではないのですが・・
        内容が飛躍してしまいました。
        都度返信いただき大変恐れ入り、感謝いたします。

        1. 田淵 俊彦 より:

          yamato様
          小さなお子さんがいらっしゃる親御さんは心配ですよね。
          いろいろ大変な時代になりましたね。
          田淵 拝

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