【今日のタブチ】再生医療で「リストカット痕」を治療する医者~「リストカットはつらさを乗り越えてきた証し」
再生医療の技術でリストカット痕を目立たなくする治療を始めた医者の記事を読んだ。素晴らしいと思った。
東京・豊洲で「きずときずあとのクリニック」を経営する村松英之氏だ。彼が語る言葉に、目頭が熱くなった。
「リストカットはストレスを和らげるための方策であり、つらさを乗り越えてきた証し」
なんと当事者に寄り添い当事者目線の言葉だろう。
最初は、交通事故などで全身に大やけどを負った人を治療する目的で始めたという。レーザー治療に加えて、患者の皮膚をシート状に培養する「自家培養表皮」を患部に移植するというのがその治療法だ。
傷跡をなくすというのもあるだろうが、当事者の「こころの傷=精神的苦痛」を和らげるという点で、とても意義があると思った。
自殺が「死ぬための行為」だとすると、自傷はむしろ「生きるための行為」だと村松氏は言う。自傷行為をしてしまう人は、あまりにもつらい感情や強いストレス、怒りなどを抱え、少しでも和らげたいという思いから行動に移してしまうのだ。中高生の1割が経験があるという自傷行為。リストカットをする人を「自殺願望がある」「精神的に弱い」と思うのは、間違ったイメージ……またひとつ、アンラーンさせてもらった。
テレビ愛知「5時スタ」より