【今日のタブチ】同じ「想像力」でもまったく違う~本学・桜美林大学の授業で学生に伝えたい「だろう運転」と「かもしれない運転」を実生活やビジネスに活かす方法
今朝の新聞の「社説」にいまのVUCA(将来の予測が困難な)時代に必要なのは、「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」だという記事があった。
警察の運転免許講習などでよく使われる「だろう運転」は楽観的な予測で危険を軽視した運転、「かもしれない運転」は危険を予測して余裕を持っておこなう運転を指す。
「だろう運転」は、例えば「その辺りは普段車が来ないから、減速しなくても大丈夫だろう」のように、危険を楽観的に予測して注意を怠る。一方、「かもしれない運転」は、例えば「小道から人が飛び出してくるかもしれない」のように、危険を予測して十分な余裕を持つことができる。
なるほど、と思った。同じ「想像力」でも違うわけだ。
いつも私は、本学・桜美林大学の授業で「想像力(imagination)」が大切という話をする。予測不可能な時代だからこそ、何が起こるか想像することは必要だ。そして、学生のような若い人たちはまだ社会に出ていないため「経験」という面においてはまだそんなに蓄積がない。私たち社会で何十年も生きてきた者は、頭のなかにある「引き出し」から過去の「経験」を引っ張り出し、問題が起きたときなどにそれらと照らし合わせて解決を試みる。
では、引き出しに経験が詰まっていない若者たちは、経験が豊富な大人に負けてしまうのか。
いや、そうではない。
もし、経験を凌駕する「想像力」があれば、勝てるのだ。しかも、若いうちの脳は想像する大きな力を持っている。「経験」がかえって邪魔をして想像ができない大人より、フレキシビリティもある。だから、想像力を磨く努力をしてほしい。そう学生たちに語っている。
だが、今日は「目から鱗」だった。想像力も「間違った方向」に向かえば、意味がないどころかかえって記念なことになる。「だろう運転」と「かもしれない運転」の論理によって、そのことに気づいたからだ。
「だろう運転」と「かもしれない運転」の論理は、運転だけでなく日常生活やビジネスにも応用できるだろう。
例えば実生活では、「だろう運転」の想像だと「この道はいつも空いているから、今日も渋滞しないだろう」と思い込み、時間に余裕を持たずに出発した結果、 予想外の渋滞で遅刻することになる。一方、「かもしれない運転」の想像は「今日は事故や工事で渋滞するかもしれない」と考え、早めに出発することで、余裕を持って目的地に到着し、ストレスを減らせることができる。
ビジネスにおいても同様だ。「だろう運転」で想像すれば「この取引先はいつも納期を守るから、今回も問題ないだろう」と確認を怠れば納品が遅れてプロジェクトに影響をあたえることもある。一方、「かもしれない運転」の想像は「今回は何かトラブルがあるかもしれない」と考え、事前に進捗確認をすることで早めに問題を発見し対策を講じることができる。
よし!今後はこの点も加味しながら、授業で話してゆこう。
今日もよい学びと気づきを得ることができた。
「パナソニック保険サービス株式会社」HPより