【今日のタブチ】店頭にポツンとひとつだけ残った「チンご飯」に被災地の方々を思うー「備蓄米」の知られざる事実

「今日のタブチ」は、日曜日だが、学務があって大学に出講だ。通勤途中にスーパーに寄って、研究室に置いておく「チンご飯」と「レトルトカレー」を買おうと思い立った。
昨今のレトルトカレーはすごい。私の幼いころには、ボンカレーしかなかったが、いまではタイトルだけ読んでもそそられるラインナップがそろっている。「120時間熟成デミグラスの牛ほぐしカレー」「濃厚バターチキンカレー」「グリーンカレー」「神田カレーグランプリ第2回優勝ビーフマサラカレー」「濃厚バターチキンカレー」などなど。これは私たち教員にとっては助かる。短い昼休みや会議が押したときなどに、パパっとレンジで温めて食べられるからだ。もちろん、カレーだけではだめなので「チンご飯」も買おう……と思ったら、棚にはたったひとつだけポツンと「チンご飯」が残っている。ない……そうか、米不足は「チンご飯」にも影響しているのか。
米不足は昨年の猛暑の影響で流通量が減ったこと、地震や台風に備えた買いだめなどが理由として挙げられるが、「政府の不手際では」や「政府の調整ミスでは」といった声も散見される。
「調整ミス」という指摘は、米の作付面積を減らしているからだというものともうひとつ、「備蓄米」の問題がある。
備蓄米とは、毎年20万トン程度、国が買ってキープしている米のことで、常に100万トン程度備蓄されている。米は生もののため、5年持ち越した後に飼料用などとして販売される。特別な温度・湿度管理で5年程度は人間が食べられるような状態で蓄えられているのが備蓄米だ。この備蓄米の制度は、1993年の「平成の米騒動」をきっかけに1995年から開始された。当時はタイ米や中国産の米などを輸入して対応した。政府は収穫前(6月末くらいまで)に生産者と契約し、主食米の平均的な価格で買い取っている。
「100万トン」というのにも意味がある。例えば、10年に1度の不作、もしくは不作が2年連続起きたとしても対応できる量だという。備蓄米はリスク分散のために、全国各地で民間業者の倉庫や施設などに保管されているが、その費用は年間490億だ。
そして今回、米不足になったのはこの備蓄米の放出に政府が慎重になっているからだ。そしてその根本的な原因は天候不順からくる災害がいつやってくるか不測だということがある。もしものときに、被災地に供給する米が足りないということになるのではないかと危惧しているのだ。

以上のような裏事情を知ると、「米不足でも我慢だな」と思える。
被災地の方々の顔を浮かべると、わがままは言っていられない。

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