【今日のタブチ】本学・桜美林大学の保護者懇談会で長野に向かう~「制度を共有する教育」の価値と意義

これから長野に向かう――本学・桜美林大学の保護者懇談会に〝教員として〟参加するために。
大学で教員が保護者会に出向くことは、全国的には決して一般的とは言えない。しかし、私はこの取り組みをきわめて重要だと捉えている。昨年は名古屋会場に参加し、保護者と多くの対話が生まれた。今年もまた、保護者の皆さんと直接語り合える機会に期待し、楽しみにもしている。
桜美林大学のカリキュラムポリシーには、「学生の多様な可能性に応える教育課程」「現代的課題と社会実装にむけた学びの設計」が明記されている。ディプロマポリシーには、「知識と方法を社会の課題に応用できる力」「自己と他者の関係性における倫理的理解」などが掲げられている。このような理念に照らせば、保護者と制度・現場を共有する保護者会こそが、それらポリシーを体現する場と言えるのではないだろうか。
とりわけ私の教育領域である「映像分野」では、「表現の自由と責任」「メディアと社会制度の接点」などを学びの重点に置いている。これは単なる技術習得ではなく、制度の文脈で表現を問う教育でもある。こうした学びが、保護者と共有されることで、家庭内での映像・メディアへのリテラシーも深まる可能性がある。つまり、保護者会は、学生の学びを家庭での実践につなぐ「制度の社会接続」だと私は考えている。
また、本学がこのように教員を通して保護者とも関係を築いていく姿勢は、「入学後も手厚いフォローがある大学」というプレゼンスにつながっていると感じる。保護者の不安や疑問に、教育現場から応答することで、大学への信頼が育まれ、それが結果として、次年度以降の入学者獲得にも寄与するという循環が生まれると確信しているからだ。
教育制度は、机上だけでは成立しない。他者との対話にさらされ、共有されたとき、初めて〝生きた〟制度になる。今日の保護者会もまた、その一歩だ。たった一歩だが、重要な一歩なのだ。すでに長野へ向かっている私の心を追って、私は少し高揚した気持ちになっている。

桜美林大学HPより
2018年度福岡会場の様子

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