【今日のタブチ】甲斐よしひろ氏の新聞連載「私の東京物語」は青春時代を喚起させてくれる〝毎日が楽しみな〟企画
東京新聞に「私の東京物語」という連載記事がある。全10話でさまざまな人物が持ち回り、ほぼ毎日、連載している。そしていまは、なんと!あの甲斐よしひろ氏である。
ご存じのように甲斐氏は伝説のバンド「甲斐バンド」のボーカル兼ギターでリーダーでもある。
そして、この連載を私は毎日楽しみにしている。
というのも、甲斐よしひろ氏は青春時代の私にとっては「神」のような存在だったからだ。
甲斐バンドが活躍していた1970年~80年代の私は中学生から高校生。一番多感な時期だった。当時はネット書店などはないので、ある日、書店で甲斐氏の『荒馬のように』(1979年)という自伝を見つけて買った。そして『荒馬のように』の一語一句を読み込んで、気になる箇所にアンダーラインを引いて〝そらで〟覚えていた。
同じ時期にNHKラジオで放送していた、甲斐氏がナビゲーターを務める『サウンドストリート』(1978~1986年)も毎回聞いていた。ちょうど、大学受験の時期だったが、どんなことがあってもその番組を聞くことだけは欠かさなかった。
それほど、私は甲斐よしひろ氏に没頭し、心酔していた。その影響で、詞を書いたり曲を作ったりもした。勢いでフェンダーのギターを買ってしまうほどだった。弾く機会も場所もないのに、である。完全に、甲斐よしひろに〝かぶれて〟いたのだった。
そして時が経ち、2020年のことだ。私が「甲斐よしひろを神の様に思っている」という噂を聞きつけたある芸能プロダクションの重役が、私を甲斐バンドのコンサートに招待してくれた(仲立ちしてくれたのは、当時一緒にドラマを作っていた制作会社のプロデューサー)。その重役は、甲斐バンドのライブやコンサートなどの際に、楽器や機材を管理・運搬・セッティングする仕事の「ローディー」をやっていたという。
忘れもしない2020年1月16日のコンサートは、2019年にデビュー45周年を記念した全国ホールツアー「KAI BAND 45th Anniversary Tour HEROES 2019」のファイナルとして、NHKホールでおこなわれた。大感激だった。
そしていま、私は自分の青春時代を懐かしみながら、毎日、甲斐氏の連載を楽しみにしている。
なんと、素晴らしき人生であることか!!
「読書メーター」HPより Version 1.0.0