【今日のタブチ】警察の「〇〇捜査」に私が抱く疑問と懸念とは何か?
警察の捜査も犯罪の多様化や科学の進歩によって変わってきているなぁと感じさせられることが、最近多くなった。2つの「〇〇捜査」という言葉から、私の頭のなかでいろいろな疑問や懸念が生じているのだ。
まずは、「リレー捜査」である。これはご存じのように、防犯カメラ映像をつなげて足取りを追う捜査である。北九州市の中学3年男女殺傷事件の犯人逮捕はこの捜査方法が決め手となった。まさに、科学の勝利といったところだろうが、この捜査方法には「防犯カメラ」だけではなく「駐車中の自動車のドラレコ」なども含まれている。市民が自発的に提供したドラレコ映像であれば問題ないとは思うが、捜査の過程で「ご協力をお願いします」と言いながら半強制的に映像が没収されるということはないのだろうか、と私は懸念を抱いてしまった。プライバシーの侵害はないのか、個人情報は守られるのか。
深読み、もしくは性悪説に寄りすぎという杞憂であればよいのだが……。
そしてもうひとつは、「仮装身分捜査」だ。これは、捜査員が架空の人物の運転免許証などを使って闇バイトに応募し、犯行グループに接触する捜査方法だ。闇バイトによる犯罪が相次いでいることを受けて、政府の犯罪対策閣僚会議が開かれ、運用が決定された。
これに対する私の疑問、懸念は「もし見つかったらどうするのか」ということだ。よく映画やドラマで麻薬組織などへの「潜入捜査」が描かれるが、この場合にも同じような心配や「ミイラ取りがミイラになる」というケースも見受けられるからだ。そして何より捜査員も人間である。心身の安全や人権が守られるかなど気になって仕方がない……。
だが、そんなことを心配している場合じゃないほどに危機的な状況なのだろう。
「静岡新聞DIGITAL Web」より