【今日のタブチ】風俗店違法スカウトグループ「アクセス」が壊滅状態に~巧みな組織運営を「可能」にした根本的な要因を断たなければならない理由

女性を全国の性風俗店に斡旋していた違法スカウトグループ「アクセス」に捜査の手が入ったのは、今年2025年の1月だ。アクセスが本格的に動き出したのが、2019年だからおよそ6年もの間、野放しにされていたことになる。その間に犠牲になった女性たちはどれほどいるのかと考えると心が痛む。なぜもっと警察は早く検挙しなかったのか。
それはひとえに、組織を「壊滅状態」に追い込むためだったのではないか。中途半端に検挙や捜査をおこなっても、「トカゲの尻尾切り」をされてしまうと元も子もない。聞けば、アクセスの捜査は、保安課としておよそ30年ぶりに立ち上げた特別捜査本部で慎重に進められたという。それは、この組織がピラミッド状に積みあがったメンバーの巧みで緻密な運営によって成り立っていたからだ。「プレイヤー」と呼ばれるスカウト役の上には彼らをつかさどる「マネージャー」という運営者たちがいた。「プレイヤー」は「プラチナ」や「ブラック」と階級付けされ、歩合制を敷いていた。その頂点に君臨していたのが、遠藤和真被告だった。特殊詐欺においても「受け子」や「出し子」だけが捕まり、主犯や指示役は逃げおおせるということが多発している。そうなってしまうと、場所と時を変えてまた同じ犯罪が繰り返されるだけになる。
「臭い匂いは元から断たなければだめ」とはこのことだ。
そういった意味では、今回の警察の計画は何年もかけて用意周到に練られたものであるだろうことは想像に難くなく、時間がかかったのも仕方がなかったのかもしれない。そして結果的には「アクセス」を壊滅状態に追い込んだのだから、お手柄と言えるだろう。
だが、実は一番肝心なのはここから先だと指摘したい。
なぜ彼らの商売が成り立っていたのか。また、こういった巧みな組織運営を可能にした本当の「元凶」を解決しないと、また第二、第三の「アクセス」が生まれるだろう。問題の本質を見誤ってはいけない。
例えば、フジテレビの問題もいつの間にか、企業経営論にすり替わり、議論が進んでいる。このままだと、〝フジテレビ独自の〟「企業風土」や「社風」ということで片づけられてしまう。それでは、どこかの局で同じような第二の「フジテレビ問題」が起こるだろう。テレビ業界は、ジャニーズ性加害問題のときの失敗を繰り返そうとしてる。
では、今回の違法スカウト問題に隠された本質とは何か
この違法スカウト業の裏には、女性に多額の掛け金を背負わせ、売春などを強いる悪質ホスト問題がある。この問題を解決しないと、また悲劇は繰り返される。そう警鐘を鳴らしたい。

「東京新聞デジタル」より

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