【今日のタブチは怒っている!】「原発銀座」が安全だと誰が言えるのか?
最大震度7を観測した能登半島地震を中国メディアが取り上げ、原子力発電所の安全性に疑問を投げ掛けている。正直言って、中国の蛮行の数々には非難するところも多いが、今回の指摘に関しては賛同せざるを得ない。
中国メディアは、地震時の新潟県の東京電力柏崎刈羽原発と石川県の北陸電力志賀原発の「状況」と「政府の対応」に注目している。柏崎刈羽原発の方は、東京電力は2、3、6、7号機の各原子炉建屋最上階で地震の揺れによって燃料プールの水があふれているのを確認したと発表。「これらの水には放射性物質が含まれ、現在はその濃度を測定中だ」とした。志賀原発の方も燃料プールの水があふれ出した。
しかし、日本側はこの点について、直ちに「現在は安全」との結論を出して、発表した。
もちろん「迅速な対応や発表」は大切だ。不安に思っている人がたくさんいるからだ。しかし、「安全」ということをすぐに言い切ってしまうという姿勢には真摯さを感じない。しかも「現在は」という枕詞つきだ。あとになって何かが起こっても「あのときは安全だと判断した」と逃げ切れる。
何より、震源地は能登半島だが、北海道から九州までの沿岸部に津波が到達しているという事実を深刻にとらえなければならない。特に私が懸念しているのは「原発銀座」と呼ばれる福井県若狭湾沿岸への影響だ。ご存知のように、ここには国内最多となる15基の原子力発電所が密集している。これらのうちのひとつでも異常が生じたら、すべてがドミノ倒しで危険なことになる。
そして能登半島と若狭湾は目と鼻の先の距離にある。
だが、政府は能登半島地震の原発銀座への影響については、しっかりと国民に説明をしていない。「大丈夫」「影響はない」という言葉を信じられるような政府ではないことは、もう誰もが知っている。
「朝日新聞デジタル」HPより