【今日の新聞から】「なるほど!」と感服した言葉3連
今日の新聞には「なるほど!」と感服させられたことが3つあった。それを紹介したい。
まず一つ目は、日本が戦争を永久に放棄し戦力を保持しないと定めた第9条を含む日本国憲法の改正阻止を目的として、作家9人により結成された社会運動団体「九条の会」の設立メンバーである故三木睦子氏の言葉だ。三木氏は、故三木武夫元首相の妻である。政治運動家でもある三木睦子氏は生前の武夫氏に「なんで自民党みたいなところにいるのよ」と聞いたという。すると武夫氏は「もし僕が一歩たじろいで自民党を辞めたら、自民党は憲法を改正するよ。だって党是の最初に憲法改正をうたっているんだよ。だから僕はあえてその仲間に入って、中から阻止するために自民党にいるんだ」と答えた。まさに「虎穴に入らずんば虎子を得ず」だ。深い洞察だと思った。
そして二つ目。駒澤大学教授で政治学者の富崎隆氏の言葉。深く、考えさせられる言葉なのでそのまま抜粋させていただく。「民主政治でお金が動くことは必ずしも悪ではない。米大統領選で無名候補だったオバマ氏が資金を集めて勝利したように、政治資金には『民主主義の血液』という役割がある。だが、お金がかかりすぎれば金持ちしか政治家になれず、汚職や腐敗につながる。民主政治自体への信用も失いかねない。そんな危機にあるのが今の状況だ」。裏金事件の視点がひとつ増えた。感謝である。
そして三つ目は、羽田空港の事故の当事者であるCAの言葉だ。彼らCAが素晴らしい働きをしたことは世界中から称賛されているように、乗客の命を守る重い役割を担うCAだが、国の分類では「接客・給仕職業従事者」にあたる。平たく言えば「接客業」だ。昔は彼らを「ホステス呼ばわり」して問題になったこともあったように、その地位は高くない。日航機の現役CAは「操縦士などと違い、日本のCAに国家資格がない。経験を伝承するためにも国や航空会社は保安要員としてのCAの役割を再認識してほしい」と述べている。調べてみると、オーストラリアには国家認定であるCertificate in Transport & Distribution – Aviation Flight Operations(Cabin Crew)の資格がある。これは是非検討してほしい。
来日したウィーン少年合唱団の一行を迎える三木武夫首相と睦子氏
「JIJI.COM」より