【今日の新聞から】「ひとり親困窮」が乳児の成人病に影響⁉ー粉ミルクから知る社会問題

東京新聞は1面に、〝本当に必要な〟〝知っておくべき〟情報を持ってくるなぁとつくづく感心させられたのが今朝の記事だった。お恥ずかしながら、この歳になってもまだまだ「知らないこと」が山積みである。
生活に困窮しているひとり親が、粉ミルクの高騰で規定以上に薄めて赤ちゃんに飲ませているという問題を取り上げていた。ひとり親と言ってももちろん、母親だけではないだろう。母乳が手に入らなくて「仕方なく」というケースもあるはずだ。
「高騰」と述べたが、5年前に比べて2割も高く、ミルク代だけで月に1万円ほどかかるという。紙おむつやベビーフードも価格が上昇している。
そして驚いたのがその先の話だ。薄めた粉ミルクが乳児に起こしうる影響について、「必要な栄養が不足する」ことや「肉体面や成長面の成長、発育、発達の遅れが生じる」ことは想像の域を脱しない。だが、乳児が成人になったあとに「生活習慣病の発症リスクが高まる」というのだ。具体的には、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの成人病と言われるものである。
これは、知らなかった……。
と同時に、空恐ろしくなった。
お腹が空くのは赤ちゃんも同じだろう。「お腹が空いた」と言って泣いている我が子に、せめて腹いっぱい飲ませたいという親心もよくわかる。だが、それがかえってその子の将来のマイナス要因になっているとしたら、それはとても悲しいことだ。
ひとり親への粉ミルクの支給、紙おむつやベビーフードなどを手当てするなど、社会ができることはあるはずだ。

今日のこの記事から読み取れること。それは、ある事象であるだけと思われる問題も、実はほかの社会問題と結びついているということだ。戦乱、育児のための商品の価格高騰、ひとり親の貧困、生活習慣病の増加……すべて単独で起こっているものごとではない。
単眼で事象を観てはいけないことを教えてくれる。世界のどこかで戦乱が起こる⇒育児のための商品が高騰する⇒ひとり親の貧困を圧迫する⇒粉ミルクを薄めて飲ませてしまう⇒日本人の生活習慣病が増える、といったようにつながっていると仮定したとすると、「世界のどこかで戦乱が起こる」ことと全く関係ないように見える「日本人の生活習慣病が増える」ことも、実は関係していることがわかる。だが、私たちは、それらそれぞれを一つの「出来事」や「社会問題」としか思っていない。
やはり、東京新聞の一面は深い。

「Yahoo!ニュース」より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です