【今日の新聞から】「ナスカの地上絵」の研究の進展具合に驚いた~AIを使って謎を解明!ペルーの大地に巨大な巡礼路が続いていた!!

今朝の新聞の日曜版別刷りには「ナスカの地上絵」のトピックが載っていた。
私は南米大陸は好きな場所のひとつだ。とにかくその地に行くまでの時間と手間はすごくかかるが、空気感というか流れる空気が違うというのか、訪れるたびになぜか「あー、帰ってきた」というような懐かしい気持ちにさせられていた。なかでも、ペルーとボリビアは高地が多いため体力的にはしんどいのだが、気に入っている場所で、ドキュメンタリー撮影のために何度も訪れている。もちろん、ナスカの地上絵も何度か行った。
今回、303点の新しいナスカの地上絵をAIを使って発見したのは、山形大学の坂井正人教授だ。ペルー政府からナスカ台地の調査を正式に認められているのはこのチームだけだという。
ちょうど、坂井教授が大学院生としてナスカの地上絵の研究を始めたのが1994年だったというから、ちょうど頻繁に私が現地に足を運んでいたころだ。そのころにはまだ、「ナスカの地上絵は宇宙人によって描かれた」などというSF説が飛び交っていた。

そして今日の記事を読んで、隔世の感に駆られた。
30年経って、随分研究が進歩したのだなぁと。当時は、AIが地上絵を発見するなど想像もしなかった。「まだまだ地上絵はある」と聞いて、「発見するのに何年かかるのだろう」と気が遠くなる思いになったことを思い出す。
しかも、長年謎とされてきた「地上絵の制作目的」も明らかになってきているという。
地上絵には2つのタイプがある。ひとつは「巨大な千タイプのもの」で、ハチドリやサルなどの絵が有名だ。もうひとつは「小型の面タイプのもの」で、人間や家畜を描いた絵が多い。前者は、神殿や聖地に向かう巡礼ルートの出発点や終着点にあることが確認されたという。後者は、歩行者向けの「掲示板」のような役目をしたということが明らかになった。
感無量だ。
私が30年まえに目の当たりにして驚き、その神秘に胸踊らされた地上絵のベールがいま、はがされようとしている。
現地を訪れたくなった。
その大地を巡礼者たちがどんな思いで、そして何を考えながら「掲示板」を見上げ、巡礼の道を歩いたのか……考えるだけでも心が震える。

出典:AI-accelerated Nazca survey nearly doubles the number of known figurative geoglyphs | PNAS

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です