【今日の新聞から】「想像する」ことの大切さー男子校で生理セミナー&コンビニ店員の名札を記号化~本学の素晴らしい取り組み「女性の性に生まれてプロジェクト」を紹介する
今日は、「想像する」ことの大切さを思い起こさせてくれた記事を2つ紹介したい。
一つ目は、男子校で「生理セミナー」を始めたという取り組みだ。「整理」ではなく「生理」だ。私のような古い感覚のアンコンサス・バイアスバリバリのジジイは、女性の方には失礼ながら、なんとなく「生理」と聞くと正直言って敬遠して忌み嫌うようなところがある。そのこと自体がいまはおかしいのだ。そんな「タブー視」を払しょくするために、豊島区の本郷中学校・高校の部活「社会部」で始まった。生理の基礎的な知識を教えたり、生理品を体験してみたりということをやっている。これは素晴らしいことだ。
何よりもいいのは「知らないままでは、想像力を働かせることもできない」という考え方だ。
本学桜美林大学芸術文化学群は女性が8割を占めている。そんななかで、素晴らしい取り組みをおこなっているので紹介したい。これは本学の渡辺久美先生を中心にした「女性の性に生まれてプロジェクト」というものである。まず「OiTr」社(商業施設・学校・公共施設・オフィスなどの女性個室トイレに生理用ナプキンを常備し無料で提供)と提携し、学内のトイレにおいて生理用ナプキン無償配布を実施。さらに、学群共通科目である1年生の健康科学の授業で生理を中心とした性についての講義をおこなったり、全学群の教職員に呼びかけて生理セミナーを開催したりしている。
渡辺氏によれば、特に男子学生は生理の知識を得ることで肯定的な考えを持つようになった者が多いという。「男性は女性と同等な体験をすることは出来ないが、毎月、そして何十年と続く生理を理解することは必要であり、その意識が女性への接し方や行動に反映されていくと考える」と論文の中で述べている。
もう一つの記事は、コンビニの店員の名札を記号化するというものだ。これはもちろん、カスハラ対策のためだ。大手のローソンとファミリーマートで実施されるという。これまで名前だったものを本名以外の記載も可能にする。役職と任意のアルファベットを組み合わせて、例えば「クルーTK」などのようにするという。これは店員が安心して働ける環境を提供するという意味では仕方がないと思うが、少し寂しい気もする。名前というのは想像力をかき立てるものだからだ。その人の名前を知って親近感も沸くし、難しい名前だと「どう読むんだろう?」や「出身はどこなんだろう?」と想像する。仲よくなれば、その人の人生も思い浮かべるということもあるだろう。
なんでもかんでも記号化してゆく社会。それは安全で機能的なのかもしれないが、どんどんと人間の想像力を削いでゆく。そんな風に思ってしまうのは、私だけだろうか。
「Journal-Be-A」HPより
https://mag.withbe-a.com/news/895/