【今日の新聞から】ホッキョクグマの毛は実は「透明」!「白く見える理由」に野生動物の驚異を実感

今朝の新聞の投書欄に「なぜ、白い雲と黒い雲があるのか」という質問に答えているものがあった。気象庁によると、雲に差し込んだ光は雲粒(くもつぶ)と呼ばれる小さな水滴や水の粒の集まりにぶつかって散乱する。そのときに無数の雲粒で進行方向が複雑にかき乱されて、進む方向が変わる。そのため赤、緑、青などの色の波長成分が偏らずに混ざった「白色光」は特定の色を散乱させることなく均等に白く見えるのだという。
すりガラスが白く見えるのもこの仕組みからだ。表面がざらざらに加工されているため、光が反射したり通過したりするときに乱雑に方向を曲げられる。

ここまでは何となく想像できる範疇だ。しかし、その先の話に「へー、そうなんだ」と感心した。
ホッキョクグマが白いのも同様の仕組みだという。複雑な構造を持った被毛が光を乱雑に散乱するからだ。ホッキョクグマの毛にはたくさんの泡のような穴がある。毛は透明だが、真ん中(芯)に空洞があって白く見える。透明な毛を透過した光が黒い皮ふで反射されるため、この反射光と太陽光が、毛の中の空洞と泡状の無数の穴に当たって乱反射を繰り返すので「白く」見えるのだ。
被毛が透明というのにも驚いたが、皮膚が真っ黒というのにもびっくりした。雪や氷と保護色にするため、自然とそうなってるんだなぁ。何度も北極圏に足を運び、ホッキョクグマの取材をしたり撮影をしていたのに知らなかったとは恥ずかしい限りだ。
野生動物はすごい。改めて、大自然の驚異を感じる。
そして、この歳になっても「目から鱗」の知識を得ることがあることに感謝して、今日も生きようと思った。

「天王寺動物園スタッフブログ」より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です