【今日の新聞から】ミャンマーの軍事政権にパンクで闘うミュージシャンー「ザ・レベル・ライオット(THE REBEL RIOT)」の覚悟

以前、このブログでもミャンマーの話題を書いている。私はドキュメンタリーの制作で何度もミャンマーを訪れているからだ。しかし、今朝の新聞に載っていたミャンマー人のバンドのことは知らなかった。2021年に国軍がクーデターで政権を握って3年以上が経つ。「ザ・レベル・ライオット(THE REBEL RIOT)というパンクバンドは、ミャンマー国軍の監視をかいくぐりながら、まさに命がけで音楽活動を続けている。
彼らは、見つからないように地下室などスタジオ以外の場所を転々としながらレコーディングをおこなっている。その政治的な内容のジャケットや歌詞のためにミャンマー国内の印刷所から拒否されながらも、友人たちや支持者たちのサポートのもと、音楽活動を続けているのだ。
「One Day」という歌のMVを見た。「いつの日か」という思いがタイトルに込められているのだろうか。以下にYoutubeのサイトを掲載したので、是非見てみてほしい。
ミャンマー語の歌詞なので理解はできないが、その身体の底から絞り出すようなボーカルは魂を揺さぶられる。調べてみると、「目を覚ませ 仲間たちよ。未来を担う世代のために。ここに存在する悪のシステムを破壊するんだ。弾圧から目を覚ます時だ。搾取から抜け出す時だ」(訳:Takeshi Evolstak)というような内容らしい。国軍に軟禁された経験がある私は、「これでは目をつけられるだろうな」と思った。
パンク・ロックは、1970年代の不況のイギリスで体制に不満を持つ若者たちによって生み出されたという説が有力だ。代表的なミュージシャンとしては、セックス・ピストルズが挙げられる。RCサクセションなどにも影響を与えている。そんな歴史的な背景から、もともとパンクという音楽表現は、体制批判であるべきなのだ。日本では音楽と政治を切り離すべきだという風潮が強いが、私はこれはナンセンスだと考えている。その音楽が成立した時代背景を理解すれば、当然、音楽と政治や体制批判は結びついていて然るべきなのだ。
「THE REBEL RIOT」……「反乱軍の暴動」と名付けられたバンドから目が離せない。

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