【今日の新聞から】土砂崩れは野生動物が増えすぎたため?ー「目から鱗」の環境学

今朝の新聞では、日本百名山のひとつ、伊吹山のふもとで土砂崩れが続いている問題を取り上げていた。この、何でもない「地方ネタ」に地球環境や生態系の変化があらわれていて、「なるほど」と思わされた。
この事態を招いた理由の一つに、「シカ」の増加が考えられるというのである。10年ほど前から増えたシカが伊吹山の高山植物を食べつくしたため、土の「保水力」がなくなったというのだ。荒れ地になった土砂が豪雨で流出しやすくなったのだ。
カナダでは本来もっと高い北緯にしかいないはずのホッキョクグマが人家に現れ、ゴミ捨て場などを漁って、住民を怯えさせている。ホッキョクグマは地球上でもっとも獰猛なクマと言われており、私が北極圏の取材をおこなう際には必ずホッキョクグマ対策として、ライフルを携えたセキュリティについてもらっていた。
これらの背景には、大きく2つの原因があると私は考えている。

1.過剰で計画性のない「動物保護」政策
2.「捕獲」や「狩猟」がマンパワー的に追いついてない

1.は野生動物は保護すればいいというわけではないということだ。この地球上で「動物と共存する」ということはどういうことか。「ほかの動物を間引く」とは人間の傲慢ではないか、という考え方もあるだろう。しかし、そういった傲慢さは捨て去り、お互いの生存のために最善の策を模索するべきだ。そのためには、2.の「捕獲」や「狩猟」という手段も必要だろう。しかし、日本ではこういったことにお金を投じてこなかった。自然の摂理やパワーバランスを十分に理解したハンターも育っていない。
このままだと、動物、人間、両方とも共倒れになる可能性もあるのではないか。そう警鐘を鳴らしたい。

「FNNプライムオンライン」より

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