【今日の新聞から】政治家に「品格」は必要か?選挙に勝つためには「何でもやる」という暴挙ー「0歳児選挙権」は正気で言っているのか

最近、政治家もしくは政治に参画しようとする人々の「品」や「格」について考えさせられるようなニュースが多い。
「つばさの党」の騒動は、選挙に参加する権利についての議論はさておき、正直言って「品がある」とは思えない。ネット社会から生まれた「話題を呼べば勝ち」「目立ってネットで支持を集めればよい」といった意図が見え見えだ。それどころか「アテンションエコノミー」の様相も呈してきた。「法に触れなければOK」という考え方は危険だ。

「品格」という意味では、「選挙に勝つためには何でもやる」という考え方もいただけない。具体的には、支持率を集めるための「公約」の内容に関してだ。
これについては、日本維新の会共同代表の吉村洋文・大阪都知事が、「0歳児からの選挙権を、党の公約に盛り込む」方針を打ち出したが、これには疑問を感じる。
これは欧米などでも検討されてきた「ドメイン投票方式」というもので、成人するまでは親が選挙権を代理執行するのだが、子どもが多いほど親の投票数が増えるという不均衡が生じる。
「少子化対策」として東京都の高校の授業料無料化を打ち出した小池都知事を思い起こさせるような、「ご機嫌取り政策」だと言わざるを得ない。
実際に海外で検討されてきたが、実現していない。もし選挙に行かない若い世代への対策というなら、ほかに方法はある。選挙権を行使する年齢を引き下げるように働きかけることを公約とするなど、できることはあるはずだ。
そして、すべてのおこないの指針は、「政治家」の「品格」として恥ずかしくないかという自分への問い次第なのではないだろうか

この国を担う政治家や政治家を目指す人たちには、せめて「品格」をもって行動してほしいものだ。

「朝日新聞デジタル」より

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