【今日の新聞から】海上自衛隊員の逮捕が防衛大臣に報告されていなかったという驚くべき事実ー「シビリアン・コントロール」が蹂躙され、軍国主義へ向かう危険性

木原稔防衛相が海上自衛隊員の潜水手当不正受給問題で逮捕が出ていたことを自衛隊から報告を受けていなかったと明らかにした。
驚くべき事実だ。
第二次世界大戦前の状況と同じではないかと思ったからだ。
日本はそのときの軍国主義が日本を戦争へと向かわせたことを反省して、「シビリアン・コントロール(文民統制)」を敷いたはずだ。これは職業軍人ではない平民が軍隊を指揮するという取り決めで、軍の独走や政治への介入を防ぐ重要な仕組みだ。憲法でも「内閣総理大臣、その他の国務大臣は文民でなければならない」と定めている。そんな「シビリアン・コントロール」を蹂躙するおこないが今回の隠蔽であることは明らかだ。
自衛隊においても、この「シビリアン・コントロール」は適用される。首相が自衛隊の最高指揮権を持ち、防衛相には文民が充てられる。その防衛相の存在をないがしろにすることは、「シビリアン・コントロール」の仕組みを否定するばかりか、日本国民全員を軍事の力で押さえつけようとしていることに他ならない。
三貝哲人事教育局長は、「私が大臣に報告しない判断をした。判断ミスだった」と責任を認め、退職したというが、「トカゲの尻尾切り」の感が否めない。自衛隊には、「シビリアン・コントロール」の意味についてもう一度しっかりと考え、徹底してほしい。

先日私は、プレジデントオンラインで「こんなにおいしい『ドル箱番組』は他にない…テレビ局が『警察密着』番組をやめられない”視聴率以外の理由”」という論考をおこない、「確認は警察まかせ、キツイ取材は制作会社に丸投げ」というテレビ番組の実態を明らかにした。そして、テレビ局が警察におんぶにだっこで、権力のプロパガンダ化する危険性についても言及した。
これと同じことが、最近増えている「自衛隊を扱ったバラエティ番組」にも言える。ミサイルを撃つ想定の訓練をタレントに体験させたり、戦闘機にタレントを乗せたり、テレビ局は迫力ある映像が撮れ、自衛隊の方はPRにもなる。しかし、扱っているのは「兵器」だ。世界のあらゆる場所で戦争が繰り広げられているなか、軍備増強を進める現政権と足並みを揃えるようなテレビ番組は、自衛隊や政府のプロパガンダと言われても仕方がない。それどころか、無責任極まりない。同じメディア人であった私から見ても、「恥ずかしい」としか言いようがない。

軍備増強の政府の後ろ盾があると慢心している自衛隊は危うい。私たちは、しっかりと目を光らせている必要がある。

「テレビ東京HP」より
『超スゴ!自衛隊の裏側ぜ~んぶ見せちゃいます!第6弾』

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