【今日の新聞から】ウクライナ女性兵士が4割増
愛国心から兵士に志願するウクライナ女性が、ロシア侵攻前の2021年に比べて40%増加したという記事を読んだ。多くは後方支援にあたるが、前線に送られる人も多くないという。
性差や先入観を乗り越えて闘う姿は、輝いていると感じた。同じく掲載されていた以下の写真の女性たちも誇らしげに見える。「初めは女の子だからと危険な任務を外された。悔しかった」と述べる実際の兵士の女性のコメントも勇ましい。特に「狙撃兵」は敵を何時間も待ち受けることがあるので、細やかな気配りができて我慢強い女性の方がよい狙撃兵になることが多いとも書かれていた。思いつくのは逢坂冬馬氏の『同志少女よ、敵を撃て』だ。
しかし、私はこの記事にはプロパガンダ的な危惧を抱く。マッチョで威勢のいいゼレンスキー大統領だけが戦争の側面ではない。戦争の陰で亡くなったり、大変な目にあっている弱者がたくさんいることを忘れてはならない。
なぜ、老若男女問わずの人間が兵士にならなければならないのか。
その現実を隠すための美談にならないようにしなければならない。そう感じた。
東京新聞2023年12月25日国際面 共同通信の記事から