【緊急続報】昨日のブログ記事「NHKスペシャル『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』放送後に入ったテレビ局からの『横槍』電話」に対して多くの意見をいただいたことについてー制作現場への想い

昨日のブログ記事には多くの感想や意見、激励のお言葉をいただいた。改めて御礼を申し上げたい。
いま思うことは、なぜ古巣・テレ東は背中を押してくれなかったのか、なぜ「頑張れ、田淵。応援しているよ」と言ってくれる度量がなかったのか。考えれば考えれるほど、泥沼に沈んでゆくような悲しさに包まれてゆく。

Xなどのコメントでは、「これまでテレ東が好きだったけど嫌いになった」「テレ東だけは信じていたのに」「テレ東の番組、もう見ない」といったつぶやきも拝見した。今日はそのことについて私の意見を述べさせていただきたいと思う。あくまでも私の私見であるということを念頭にお読みいただきたい。
まずなぜこの続報を出そうと思ったかだが、先ほどのXの件などもあって、テレ東やテレビの制作現場に影響が出ないかを懸念したからだ。特に私のことを知らないテレ東の若いクリエイターたちのなかには動揺したり傷ついたりしている人もいるのではないかと思った。そうなってほしくないし、現場は少しも悪くない。むしろ、まともだ。だからこの記事を発信する。
なお、もちろん、おわかりのことだと思うが、私のこの一連の記事は他局を含めテレビ局全体を批判しているものではないことを改めて申し上げておきたい。

視聴者や世間の皆さんにまずわかっていただきたいのは、私は決して汗水たらして頑張っているテレ東の現場のクリエイターやスタッフを批判しているのではないということだ。「おい、テレ東、大丈夫か?」や「目を覚ませ!テレ東!」などは、「テレビ東京」というメディア組織に対して言っている言葉であり、同時に「抑圧されている現場からも声をあげてほしい」という思いである。

以前このブログでも紹介したが、本学・桜美林大学の学生がテレビ東京の『TESAKI』という番組に出演した。
☛その際の紹介記事https://35produce.com/%e3%80%90%e6%b4%bb%e5%8b%95%e5%a0%b1%e5%91%8a%e3%80%91%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%87%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%aa%e3%83%b3%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%a7%e8%ab%96%e8%80%83%e8%a8%98%e4%ba%8b/
そのときに学生を引率して久しぶりにテレ東のスタジオを訪れた。そしてスタッフの働きぶりや演出の仕方を観ていて改めてテレ東の制作能力の高さを実感した。なんというスタジオワークの素晴らしさ。そんなに予算はないと思うが、セットも工夫してよくできている。なによりも段取りや素人出演者に対する気遣いがGOODだ!
昔よりだいぶましにはなったが、いまだにテレ東の番組制作費は他局に比べて見劣りする。だが、それを感じさせないほどのクオリティの番組をいわば〝効率よく〟〝工夫して〟作ることができるのが、テレ東の「強み」であったし、そのDNAはいまもしっかりと受け継がれていると確信した。
『家、ついて行ってイイですか?』や『Youは何しに日本へ?』などの一般の方を取材対象にした番組は地道に頑張っているし、『タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって』などの番組も見事に定着してきている。ドラマも深夜でオリジナル企画を果敢に開拓し、ゴールデンではこれまでテレ東に出演しなかったような俳優さんを口説くなど挑戦し続けている。それは、伊藤隆行制作局長を吸引力の中心としてみな、頑張っているからだ。「カネがなければ知恵を出せ」と私もAD時代に言われ続けてきたが、いまもその努力を惜しんでいない。だから、これまでテレ東を応援してくれていたファンの方には今回の「横槍電話」事件でテレ東の番組のことを嫌いにならないでほしいのだ。百歩譲って、もしテレ東のことを嫌いになっても、テレ東の番組は好きでいてほしい。

では、今回の『横槍』電話は誰が悪いのか。
昨日のブログのなかで述べている「大好きなテレ東に裏切られた」という表現は、以下に呼べるような組織としての「欠陥」が原因となっている。
その元凶となっている「諸悪の根源」は、2つある。
まずひとつめは、一部の勘違いした役員たち。テレ東は常に「最少最弱」と言われてきた。視聴率やすべての面で「振り返ればテレビ東京」とも揶揄されてきた。そんなテレビ東京が株式上場し、いつのまにか「一流企業」の仲間入りをした。このことによって、何が起こったか。
その最たるものが、「社員意識の変化」である。
〝びりっけつ〟のテレビ局の偉い人になっても恥ずかしいだけで何も誇れるものがなかったが、「一流企業になった」ことで出世欲がでてきたのである。そして、一部の人間のなかには出世をして上に行けば行くほど、自分が現場にいたときの苦労を忘れ、役員になったとたんに「自分は現場上がりだから現場のことをよくわかっている」という言い訳とともに現場への締めつけや無理難題といったパワハラもどきのことを始めるのだ。
私は子会社の制作会社に出向をしていたおりに、一度部長にならされたがそれを辞任し、それ以来出世には縁がない。それをいまでは幸運に思う。だからこそ、いちクリエイターとして37年間現場をまっとうできた。
だが、にわか一流企業で「一流の人間」になったつもりの人はどうなるのか。「自分には力がある」と勘違いするのである。〝力がなかった(いまもないかもしれないが)〟時代が長かっただけに、勘違いの度合いは半端ないことになる。
どうも私が退任した2023年4月以降、さらにその傾向が強くなっていると、社内の人たちから逐一、詳細な報告を受けている。

もしテレ東関係者でこの記事を読んでいたら、Xの投稿者たちの熱いコメントを見てみてほしい。みな、テレ東を応援してくれている。テレ東の番組が好きだと断言してくれている。だからこそ、いま声をあげなければならない。

そして、2つ目の「諸悪の根源」については、あまりにも衝撃的な内容になるので後日に紙面を譲りたい。しっかりと事実と論点を整理して、必ずお伝えすることを約束する。
*どなたか勇気や気概のある新聞社の社会部の記者さん、このことを書いてくれないかな……これはもはや、社会問題ではないでしょうか。

「テレビ東京ホールディングス」HPより

【緊急続報】昨日のブログ記事「NHKスペシャル『ジャニー喜多川 “アイドル帝国”の実像』放送後に入ったテレビ局からの『横槍』電話」に対して多くの意見をいただいたことについてー制作現場への想い” に対して2件のコメントがあります。

  1. しんのすけ より:

    ひとこと
    時代が変化してる、40年前、30年前、…5年前、3年前…全然感性が変わってる
    もしかしたら3日前からでも
    集団だから言えた、押さえた
    個人だから言えない、我慢
    ネットなら無責任になんでも表現できる
    人間はいつも我儘、それは当たり前のこと守らなければ…社会が乱れる

    1. 田淵 俊彦 より:

      しんのすけ様
      コメントありがとうございます。
      仰る通り、感性の変化には驚かされます。

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