【今日の新聞から】中学校教科書の「デジタル進化」を歓迎する

2025年春から中学校で使用される教科書の検定結果が公表された。
大きな特徴としては、QRコードなどを使って見られる「デジタル教材」が大幅に増えたことだ。例えば、書写の教科書で「左利きの生徒向けに書き順や用具の配置の仕方」を説明するものから技術の教科書では「くぎの打ち込み方」などまである。

印象に残ったのは、道徳の教科書で「左手のピアニスト」として有名な舘野泉氏の演奏が視聴できるものや国語の教科書には掲載されている小説の著者、朝井リョウ氏のコメントが見られるというものだった。
どんな映像を載せるかというところに、教科書作成者の考え方が大きく反映されるということや、センスが必要になるだろうなぁと感じた。

映像を教える身としては、こういった映像の活用方法がどんどん増え、広がってゆくことはとても歓迎だ。

同時に私がいつも述べている「メディアリテラシーの肝要さ」について、多くの教科書で深く取り上げられていることも評価したい。
公民の教科書では、フェイクニュースやAIによる精巧な偽画像「ディープフェイク」を紹介してSNSでむやみに情報を発信することの危険性を訴えている。
さらには、「エコチェンバー」(自分と同じ考え方ばかりの情報に偏ること)や「フィルターバブル」(好みの情報以外をシャットアウトしてしまうこと)などの専門用語まで出てきたのには驚いた。

いやぁ・・・なかなかレベルが高いぞ。
問題は、知識だけでもだめでそれを実際にどう活用するか、できるのかということだろう。学校の先生にはそういった「実践的な授業」を展開してほしいと願っている。

「静岡新聞DIGITAL」より

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