【今日の新聞から】日本の航空業界の歪みはどこにあるのか?ー宮崎空港の「不発弾爆発事故」と客室乗務員の「過労問題」の関連性を問う

今朝の新聞にあった、2つの航空業界に関係する記事。この2つは一見、まったく関係ない、たまたま両者とも同じ航空ネタなだけのように見えるが、そうではない
世の中の事象は単体で起こっているわけではない。必ず何かと結びついてその出来事が生まれていることが今日のこの2つの記事からもよくわかる。

まず一つ目の宮崎空港での「不発弾爆発事故」は皆さんもご存知のように、戦中に米軍によって投下された空襲の際の不発弾が残っていて爆発したというものだ。その2分前には旅客機が通過していて、よもやの大惨事になるところだった。もう一方の客室乗務員の「過労問題」は、東京新聞では一面のトップ記事で取り上げ問題視している。一日の勤務で国内線4便に搭乗し、ほとんど休憩時間が取れないで働かされている客室乗務員の実態を告発している。

戦時中の不発弾はほかの空港でも見つかっている。国土交通省が今後の調査実施を明言するまえに、宮崎空港は運航再開となったが、これでは乗客の安全を確保できていると言えるのか、疑問だ。
日本の空港は戦中の旧日本軍の飛行場を利用されていることが多い。新しく作る空港に比べて、「もともとあった」という理由で近隣の住民の理解が得られやすいからだ。当然、米軍は日本軍の飛行場を襲撃しているので、不発弾が残っていることは充分に想定できるはずだ。空港を作る際に、そういったことを考えて徹底的に不発弾が残っていないかチェックしたのだろうか。そういう疑いの気持ちが鎌首をもたげる。

客室乗務員の問題に関しては、以前、このブログで新千歳発の航空機が海保の航空機と衝突した事故について書いたときにも指摘したように、その地位が低いことが温床となっている。パイロットは航空法で国家資格の航空従事者と位置づけられているが、客室乗務員はサービス業従事者だ。海外では違って、国家資格であり、そちらの方がグローバルスタンダードで日本が遅れている。

そしてこれら2つの事象の共通点や関連性についてだが、以下の2点を指摘したい。
1.どちらも「国の制度」や「国の対応」が原因となっている
2.どちらも乗客の増加、企業の利益優先の体質が原因となっている

1.は言わずもがな、客室乗務員に関しては法的な位置づけがおかしいわけだから、それを是正しなければならない。爆発事故に関しては、国交省の対応があまりにも杜撰すぎて、あきれて文句も出ない。両者とも、国の行政や司法の犠牲になっているのは、市井の一般庶民であり、国民である。
2.については、昨今の飛行機を利用する人の増加が影響している状況を看過できない。だが、利益を追求する企業は、小泉政権下でおこなわれた規制緩和で競争が激化して以降、会社を存続させるのに必死で、国民や庶民の安全確保には目が向いていない。多くの人を運ぶために飛行機はどんどん大型化し、空港に離着陸する頻度も増えている。今回の不発弾爆発は、そういったことからくる地面への圧力が増したことも原因なのではないか。もしそうならば、早急に国や企業は、検査を実施すべきだ。

客室乗務員の過労死や心身の疲弊から来る自死、不発弾による飛行機事故……そういった惨事が起こる前に、何をすればよいか。すでに、答えは出ている。

「Yahoo!ニュース」より

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