【今日の新聞から】「小中学校の不登校」が過去最多の34万人となったことと「重大いじめ」が初めて1,000件超えたことに関連性はあるのか~「学校に行かないこと」を考える

文部科学省が、2023年度に全国の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒が11年連続で増加して、全体の3.7%にあたる34万6,482人で最多を記録したと発表した。また同時に、小中高が認知したいじめのうち、身体的被害や長期欠席などが生じた「重大事態」は1,306件で、初めて1,000件を超えた。
もちろん、「重大いじめ」が不登校につながった事例もあるだろう。いじめを早期に発見して対策を取るという体制は必要だ。しかし、疑問に思った。「小中学校の不登校」は必ずしも「いじめ」が原因だと断定してしまってよいのだろうか。
そう感じたのは、今日の新聞ではひとつの記事のなかでこの2つのデータを取り上げているため、初めて読んだとき「小中学校の不登校」はいじめが主な原因だと決めつけているように思ってしまったからだ。

また同時に、いまのこの時代に「必ず学校に行く」ことが不可欠なのか、考えてしまう。私が子どものころは「学校に行かない=怠けている」という周りの意識が高かった。しかし、「嫌だから行かない」という子どもだけではないのではないだろうか。
本学に入学してくる学生は、さまざまな芸術を目指す若者が多いが、なかには何らかの理由で普通高校から通信に転校して、素晴らしい成績を修めている人もいる。そういった受け皿を社会全体が作ってあげることが、次の時代を作る若者たちにとって必要なのではないか。
文科省は今年の8月に、学校教育法施行規則を改正し、不登校児童生徒が学校以外で学んだ成果も通知表の評価に反映できると明記した。これはとてもいいことだ。授業に自宅からオンラインで参加したり、フリースクールで学校学校の課題に取り組んだりしている子どもの成績評価を実施している学校もでてきているという。
多様性の時代には、「学校に行かない」という選択肢もあるのだろう。

「NHK WEB NEWS」より

【今日の新聞から】「小中学校の不登校」が過去最多の34万人となったことと「重大いじめ」が初めて1,000件超えたことに関連性はあるのか~「学校に行かないこと」を考える” に対して2件のコメントがあります。

  1. yamato より:

    ズル休みしてディズニーに行く友達が羨ましかった。でも、今思えば親との時間は平日にしか取れなかったのかもしれない。

    考えてしまう隙があるほど、行けなくなってしまうのかも。そして、なんでも悪く捉えすぎないように、すっごく悪いことは、すっごく良いことかもしれないと。

    平日のショッピングモールで遭遇する親に連れられた小学生くらいの子は楽しいんだろうか。

    1. 田淵 俊彦 より:

      yamato様
      コメントありがとうございます。
      仰る通り「善⇔悪」というのは誰が決めるのかと、もちろん、法に反するなどはいけないと思いますが、
      社会が決めた「悪いこと」は本当にそうなのかと疑問に思う気持ちが大切だと私も大学で学生にいつも言うようにしています。
      平日でないと親と過ごせない子ども・・・そういう子どももいると思うし、それによって自分がやっていることが「悪い」とレッテル貼りされてしまうのも違うと思いますよね。
      大人として考えなければならないことは多いです。田淵俊彦 拝

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