【今日のタブチ】ノーベル平和賞受賞演説の一文を肝に銘じる

12月10日のノーベル平和賞の受賞式で田中熙巳氏が述べた言葉が、1日以上経っても私のこころに大きな動揺という「波紋」を残している。
その言葉は、「戦争といえどもこんな殺し方をしてはいけない」だ。
被爆者である田中氏であるから言える言葉であり、「戦争世代」ではない私たちだからこそ、こころに留めなければならない言葉だと思った。
これは、いかに核兵器というものが、人間の尊厳を損なうものであるかを示している。
今後、私たち日本人のみならず人類全体に核兵器がどういう影響を与えるのか、わからない。人類史上初めてのことだからだ。

もちろん、戦争が存在しないことが第一だ。だが、人類は争いのなかで歴史を築いてきたということも事実の一解釈だ。私が過去に取材したインドのナガランド州では首狩りがおこなわれていたが、それは部族同士の争いが盛んだった時代に、敵陣に乗り込んで大将の首を獲ることで勝敗の決着を早くつける意味合いもあったという。もしそうだとすれば、その目的は何か。
それは、犠牲者を多く出さないためではないか。
人間の遺伝子レベルまで破壊するその兵器は、人間そのものの尊厳を破壊するものなのだと、改めて田中氏の演説を聞いて肝に銘じた。

コニャク部族の辺境の村に今も展示されている狩られた頭蓋骨のコレクション
「ナショナルジオグラフィック」HPより
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/b/083100028/?ST=m_m_news

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