【今日のタブチ】バレンタインデーの今日に小説やドラマを地でゆくような「ラブレター代筆屋」の生きざまを思う
今朝の新聞には、バレンタインデーに合わた企画か、「ラブレター代筆屋」の人の記事があった。川崎市在住の小林慎太郎氏だ。会社員の傍ら、大切な相手への思いをうまく文章にまとめられない人の代わりに手紙の文面を考えるという。
素晴らしい仕事だと思った。デジタル化が進み、郵便料も値上げをして、手紙を出す人も減った。私も今年を最後に「年賀状デトックス」を宣言した。
私が小学生や中学、高校のときにはもちろん、ネットもパソコンもないので、もっぱら手紙で相手に気持ちを伝えるしかなかった。教室の机や下駄箱を媒介として、好きな相手と手紙のやり取りをするのが楽しみだった。そのときのドキドキ感や高揚感はいまでも胸を締め付ける。
私はテレビ局時代には手紙をよく書いた。懇意になった俳優さんやタレントさんが出演するドラマや映画、番組などの感想を送ったり、一緒に仕事をした演者やスタッフの方にお礼の手紙を書いていた。そうすると、丁寧な方からはご返事をいただいたりなどして、その人とは自然に次につながってゆく。また、手紙を書くことで自分がやった仕事や役割について、改めて気持ちを整理することができた。
今の時代は、LINEやSNSであれば何でも気軽に言えるが、手紙だとかえって言いたいことが伝えられない、という人が増えているのではないかと推察する。そんな今だからこその仕事だと思った。
そして、そんな〝元が取れず〟〝手間もかかるだろう〟ことをやろうと考えた小林氏の人生を思った。
どんな生きざまの人なんだろう。なぜこんなことをやろうと思い立ったのだろう。いろいろな疑問が頭をよぎる。
新聞に載っていたHPを見てみた☛https://dsworks.jp/
すると、吉田兼好(兼好法師)もラブレター代筆屋だったというではないか!?このサイトでは、小林氏の声も聴ける☛https://radiotalk.jp/program/48421
想像した通りの優しそうな、そして丁寧に話す人だ。
手紙は〝想像させる〟メディア。現代のメディアの原点と言えるのではないかと思った。
「テンシンワークス」HPより