【今日のタブチ】〝親不孝ものの〟中学生の私の心を〝わしづかみ〟にした「スーパーカー自転車」~ナショナルは自転車用品から始まった企業だった……

1970年代、中学生だった私の心を〝わしづかみ〟にした自転車があった。同年代の皆さんも覚えていらっしゃるだろう。ブラックの渋い車体に、ライトや変速機などの様々な機能を取り付けた「フラッシャー自転車」と言われるものだ。この自転車は、同時のスーパーカーブームに乗じて大ヒットした。そのため、「スーパーカー自転車」とも呼ばれている。
友だちがいち早くこの自転車を買ってもらって自慢した。私はうらやましくてならない。
そして学校の成績が上がったら買ってもらう約束を取り付けた。値段はまったく覚えていないが、今日の新聞によると、当時の価格で3万~5万台と決して安くなかったそうだ。
と、ここまでは普通の中学生だが、〝親不孝の〟私の欲望は留まることがなかった。違う友だちがさらに高性能の「スーパーカー自転車」を買ってもらった。前後にでっかいライトが無意味についているものだが、中学生の私にはかっこよくて仕方がない。
私は、わざと自転車をどこかにぶつけて(どこにぶつけたかは覚えていない……スミマセン)壊して、「壊れたから新しい自転車を買ってほしい」と親に頼んだ。まったく〝とんでもない〟ガキだ。猛省である。親に申し訳ないと天に向かって詫びている。
今日の記事で知らないこともあった。「スーパーカー自転車」の人気商品はナショナル自転車(現パナソニックサイクルテック)製だったという。そしてナショナルは創業者・松下幸之助氏が自転車用のランプを開発して初めて「ナショナル」というブランドを世に出したのだ。
経営の神様の思いが詰まった自転車に、もっと敬意を払うべきだった……。

「MOONSTAR」HPより

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