【今日の新聞から】 教員による性犯罪事件の裁判で傍聴席を職員で埋めた横浜市教育委員会の教育者としての「格と質」

教員における性犯罪事件の裁判で、横浜市教育委員会の指示で傍聴席を職員で埋め、第三者の傍聴を妨げていたことがわかった。憲法で保障されている「裁判公開の原則」を損なうだけでなく、教育者としての質と格を問われる行為である。
教育委員会は「被害者の保護者が一般傍聴者に事件の内容を知られるのを望まなかった」からとその理由を述べているが、あまりにも浅はかな考えと言わざるを得ない。当時の教育長にも相談して決めたというから、その教育長の認識の甘さにもあきれる。その数約500人、延べ11回も繰り返していたというが、私が今回のこの事件で思ったことは以下の2点だ。

1.傍聴席に派遣された職員はなぜ異を唱えなかったのだろうか。500人のうち誰一人として「これはおかしいのでは?」と言わなかったとしたら由々しき問題だ。「そうは思わなかった」と「思ったけど言えなかった」というのがあるだろうが、どちらも言語道断である。
2.この事件はなぜ発覚したのかが気になった。東京新聞の記事を読むと、森田真奈子氏という記者が開廷前にスーツ姿の60人もの長い列を見て異様に感じて、後半の後に傍聴人の一人を追った話が書かれていた。その人は横浜市南部学校教育事務所に戻っていったという。この森田氏の「記者魂」には「あっぱれ!」とこころのなかで拍手喝采した。

以上のように、この事件でまた私は新しい「事実」と自らの解釈による「真実」を得ることができたのだった。
そして最後に言っておく。記者会見では横浜市教育委員会の教職員人事部長の村上謙介氏が謝罪していたが、こういうときはちゃんと教育長が謝罪するべきだろう。認めたのはあなたなのだから。

「東京新聞TOKYOWeb」より

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