【今日の新聞から】「プロデュース」という意味を誤用している検察

今朝の新聞には、昨春の東京都江東区長選は柿沢元衆議院議員の「プロデュース」だったと検察が公職選挙法違反事件の初公判で指摘したという記事が載っていた。
強い違和感を抱いた。それは私が長い間、プロデューサーという仕事をしてきたからである。
プロデュース(Produce)は、産出する、生産するなどが英語本来の意味だが、日本では一般的にそれとはかけ離れた独自の使い方をされている。演劇、映画、テレビ番組、音楽などの作品やイベントを、企画・制作するクリエイティブな作業のことさす。それは作品を「ゼロから」生み出す大変な作業だ。もちろん、そこには大きな責任も伴う。
大事なのは、日本においては、「様々な方法を用いて目的物の価値をあげることを指すということだ。
私は、検察がこの言葉を誤用していると指摘したいのは、その部分だ。柿沢元議員がしたことは単なる「画策」や「偽装」であってそこには何の生産性もないし、物事の価値をあげる神聖さもない。それを「柿沢プロデュース」と呼び、混同することは、世に多くいる様々なジャンルのプロデューサーに失礼でバカにした行為だ。たとえば日本映画テレビプロデューサー協会などが厳重抗議するべきではないだろうか。

「毎日新聞デジタル」より

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