【今日の新聞から】戦争は最大の児童虐待

今日はコラムの記事から。国際アートセラピー色彩心理協会という大きな災害や事件が起きた際に、アートを通して現地の子どもたちの心をケアする活動をおこなってきた団体の話だった。素晴らしい試みをされている団体だと感心したが、その共同代表の末永さんが語った言葉が心に残った。

「災害や紛争を経験した子どもたちは、目の前の現実と平和だった日常を、一枚の絵の中に対比させるように描くことがよくある」

例えば、左側には青い空と緑の大地、右側には爆撃を受けて燃え広がる炎の赤。子どもはそうやってあまりのショックな出来事を頭から切り離すことで、自分の心を守ろうとしているという。またこれは戦争や災害だけでなく、いじめや虐待で心が傷ついた子どもたちにも同様のことが見られる。

「戦争は最大の児童虐待」その言葉が私の心に重くのしかかった。

この記事を読んで私は昔、パタゴニアで訪れた小学校でのことを思い出した。ご存じのようにパタゴニアは南米大陸のコロラド川を境に南緯40度以南のアルゼンチンとチリにまたがる地域を指す。面積は日本の約3倍、パタゴニアでもさらに最南端のウシュアイアという街では一年で最も気温が高い1月でも平均気温は10℃前後である。その小学校の壁に貼られた子どもたちの絵が印象的だった。どの絵も太陽が黄色できらきらと明るく描かれていた。ウシュアイアでそんな南国のような太陽を見ることはない。その絵は子どもたちの暖かな太陽を欲するという「願い」だったのだ。

絵は子どもたちの願望をあらわすという。子どもたちが将来への希望や夢をおもいきり絵に込められるような状況であるように、それは私たち大人の使命である。

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