【気になる書籍から】なぜヒトだけが老いるのか?

今回の年末年始には生物学者で東京大学定量生命科学研究所教授の小林武彦氏の2つの著書『生物はなぜ死ぬのか』と『なぜヒトだけが老いるのか』を興味深く読んだ。多くの学びがある本だった。いくつか気になった記述や情報を抜粋してみる。

生物の世界を牛耳る最大の法則は「進化」であり、それは「変化と選択」である。そしてこの「変化」の部分を担当するのは遺伝物質のDNAなのだ。👉なるほど、納得!

「ヒト」と「バナナ」の遺伝子はざっくり50%一緒👉へーそうなんだ!

自然界で生きる動物の中で、ヒトのように「老化」する生きものはいない。すべて、弱まってくると「食べられてしまう」か「自分で食べものを確保できなくなって」死んでしまう。だから老いるのはヒトだけだと言える。👉そっか!そう言えばそうだな!

生物の寿命を予測するのは「哺乳動物の総心拍数は一生でほぼ20億回仮説」。ネズミは1分600回に比べて、ゾウは1分間30回。そんな仮説によるとヒトは大体50歳くらい。👉これも妙に納得……。

DNAが壊れやすい動物は身体が小さくて寿命が短く、壊れにくい動物は身体が大きくて寿命が長い傾向がある。👉そうなんだ……

以上のように、知っているようで知らなかった事実の連続に新年から驚かされるばかりだったが、なかでも最も本書に共感したのは以下のデータを踏まえての小林氏の見解だった。

2022年の総務省の発表によると、65歳以上は昨年より6万人増え、過去最高の3,627万人で総人口に占める割合は29.1%と過去最高。この割合は、世界200か国と地域の中で最も高い。仕事に就いている65歳以上は909万人で18年連続で増加し過去最高。割合としては25.1%だという。

小林氏はこの日本の現状を踏まえて、「シニア」の役割を元気なうちは我慢せずに好きなことをやって、少ししんどくなってきたら社会や周りの役に立つことを考えてみたらどうかと提言していた。
これこそ、ヒトだけに与えられた「老いること」という特権を上手に生かしてゆく考え方なのだと感服した。

【気になる書籍から】なぜヒトだけが老いるのか?” に対して3件のコメントがあります。

  1. 花房幸世 より:

    もう、20年以上も前の竹宮惠子先生のまんかの中で、年をとるのは、地球が成長するためとあり感心した覚えがあり、今でも覚えてます。地球ではなく世界だったかもしれません。

    1. 田淵 俊彦 より:

      花房様、コメントをありがとうございます。確かその漫画は竹宮惠子氏の『地球へ…』ではないでしょうか?「人類の存在が地球を窒息させている」といったような論拠ではなかったかと記憶しています。名作ですよね。
      そして仰るようにまさにいま人類がやっていることは地球にとって「暴挙」ですよね。何十年前に竹宮氏が指摘していたことをいまだに私たちは守れていないということに愕然とします。

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