テレビは見られているのか?
テレビに関するある調査のデータを紹介したい。NHK放送文化研究所が2020年におこなった「国民生活時間調査」である。
その調査によると、平日の1日のうちいずれかの時間帯にテレビをみる国民の割合は79%である。これは8年前の2015年の85%から6%減少している。また、10〜20代においてはほぼ半数が「テレビを見ていない」という結果であった。
次に、携帯電話向けメディア・コンテンツを手かける株式会社ビジュアルワークスが2023年5月におこなった調査を見てみよう。
実家暮らし以外の47都道府県在住のZ世代の74%が「家にテレビを置いている」と答え、半分以上の52%が「ほぼ毎日、テレビを見る」と答えた。「Z世代」とは1980年から1995年の間に生まれた世代で、だいたい25歳から40歳ぐらいにあたる。
これらの結果は何を意味するのか。
10〜20代の若者はまだ親元にいるため、「家族で一緒にテレビを見る」というより「ひとりでも、またスマホ一台で済んでしまうネットの利用が多くなる」のだろう。
20歳を超えると親元を離れる若者が多くなるため、テレビを見る割合が増える。そして、40代、50代と年齢が上がるにつれ、ネットよりテレビを利用する人が多くなってゆくと推測できる。
この統計は一見、「年齢が上がると、テレビを見るようになる」と読み取れる。
しかし、それは楽観的な考え方だ。
テレビを見る絶対数は確実に減っている。今後「テレビよりインターネット」という生活習慣に慣れた10〜20代が40代になったときに、どのような結果になってゆくのかは予断を許さない。
みなさんはどう考えるだろうか?
みなさんの意見を聞いてみたいものだ。