【おススメミュージカル】桜美林大学OPALミュージカル『舞台に立ちたい』――1年生から4年生まで、“若さがはち切れんばかり”の圧巻ステージ!
本日は、本務先・桜美林大学の芸術文化学群演劇・ダンス専修が主催するミュージカルを観劇した。演劇・ダンス専修では、各教員がゼミ形式で「OPAL(Obirin Performing Arts Laboratory)」という実践型プロジェクトを展開している。学生が舞台芸術を通じて創造力・表現力を磨く場であり、まさに“学びながら創る”教育の象徴だ。
今回の公演は、國友淑弘氏が指導するOPALによるミュージカル作品。率直に言って、感動した。学生主体とは思えないクオリティで、國友氏の指導力と学生たちの努力が見事に結実していた。
出演者はたった3人。しかも全員が学生だ。キャストは日替わりで「スマイル班」「フレンズ班」「ドリーム班」の3組に分かれており、私が観たのはスマイル班だった。4年生の長崎絵子さんを中心に、3年生の香取陽花さん、そして驚くべきことに1年生の横谷詩帆さんが出演していた。1年生といえば、つい半年前まで高校生。にもかかわらず、堂々たる舞台姿は圧巻だった。
本学・芸術文化学群では、私が指導する「映像」を含むあらゆるジャンルで「初学者」を積極的に受け入れている。経験ゼロでも“一から”学び、舞台に立つことができる。横谷さんが高校時代にミュージカル経験があったかは不明だが、仮になかったとしても、今回のステージは本学の「初学者教育」の成果を充分に証明するものだと感じた。
演目は『舞台に立ちたい』。ミュージカル座の創設者・ハマナカトオル氏による原作で、舞台に憧れる若者たちの葛藤と成長を描いた作品だ。氏が24歳の頃に書き始め、37歳で完成させたオリジナル脚本によるミュージカルで、椅子3つだけのシンプルな構成ながら、笑いと涙を誘う濃密なドラマが展開される。初演は宝田芸術学園で行われ、その後、氏が創設したミュージカル座で現在のスタイルに整えられた。
物語は、いづみ、みゆき、ナナという3人の女友だちが、それぞれの夢と現実に向き合いながら、舞台に立つ意味を模索していく10年間の軌跡。オフ・ブロードウェイ・タッチのミュージカル・コメディで、舞台人だけでなく誰もが共感できる普遍的なテーマを扱っている。110分の上演時間があっという間に感じられるほど、テンポも演技も見事だった。そして何より、國友氏の演出が的確で、学生たちの個性とエネルギーを最大限に引き出していたのが印象的だった。
3人の学生は、しゃべりっぱなし、踊りっぱなし、歌いっぱなし。まさに“若さがはち切れんばかり”のステージで、ロートルの私も元気をもらって帰ってきた。学生たちのエネルギーに触れるだけでも、観る価値がある。
粗削りながらも新鮮なパフォーマンス。ぜひ多くの方にご覧いただきたい。公演は今月27日(土)まで。
☛公式ページhttps://www.obirin.ac.jp/event/year_2025/lo4e4n0000087phw.html
「桜美林大学」公式HPより