【今日のタブチ】どう考えてもヤバいだろう……なぜ、我が国の政権は日鉄のUSスチール買収禁止命令に抗議しないのか?
日鉄の橋本英二会長がUSスチール買収禁止命令を巡って、バイデン大統領らを首都ワシントンの連邦控訴裁判所に提訴したと発表した。
当然だろう。もしこのまま看過すれば、日鉄はUSスチールにおよそ900億円の違約金を払う義務が生じる可能性があるからだ。そうなれば、経営計画の変更も余儀なくされるだろうし、悪い場合には会社自体の存続に影響する。
橋本会長は「違法な政治介入で審査が適正にされず、到底受け入れられるものではない」とし、「決してあきらめない」と述べているが、頑張ってほしい。この問題は、今後の「日米関係」ならびに2月に就任するトランプ政権との関係値において、とても大きな意味を持つからだ。バイデン大統領は日本を何だと思っているか。まだ、いまだに「アメリカが打ち負かした国」とでも思っているのか。そう思わざるを得ない仕打ちだ。
そして、不思議でならないのが、なぜ石破首相ならびに日本国の政府はこのことに対して正式な抗議をしないのか、ということだ。
この点においては、まだトランプ氏が「USスチールはアメリカの象徴」と言って守ろうとする考え方の方が「まとも」に見えてきてしまうほどの愚行だ。
今回の合併は、ひいてはアメリカの鉄鋼業界を強化し、中国との競争に対抗するためのものである。そのことを強調して、なぜ説得しようとしないのか。そういった毅然とした態度をとらないから、いつまでたっても「敗戦国気質」から抜け出せないのではないか。
そう思ってしまうのは私だけだろうか。
「名古屋テレビ」HPより