【今日のタブチ】エマニュエル・トッド著『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』から私たち日本人が可及的速やかに学ぶべきこと
エマニュエル・トッド氏の『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』を読んだ。
日本という国の「未来予想図」を喚起させられるとてもイマジネーションに溢れた書だった。
まず感じたのは、フランス人であるトッド氏にとってNATOの崩壊は、以前から彼が述べていることとはいえ、勇気がいる発言だろうということだった。
そして私が本書から読み取ったのは、大きく3つのことだ。
1.世界をけん引してきたアメリカの「製造業」と「宗教観」が破綻しているということ
2.「アメリカ=善」「ロシア=悪」という図式はもはや妄想であるということ
3.日本は今後、自力で中国と向き合わなければならなくなるだろうということ
1.はUSスチール問題に大きく表れているだろう。2.はウクライナ戦争におけるアメリカの振舞いを見ていればおのずからと見えてくる。3.は最も由々しき問題だ。もはや日本に「後ろ盾」はない。基地や沖縄問題、武器購入などの日米安保でアメリカに媚びを売っている場合ではない。あらゆる面で日本はいち早く本当の意味で「独立」するべきだ。
男女参画や同性婚問題などの人間の根源としての諸問題の認識遅れをはじめとして、早急に改善、対策しなければ「手遅れ」になるだろう。国際情勢をより深く理解し、上記のような多様な視点を統合的に捉える新たな思考が求められている。その分野は多岐にわたっている。国家、宗教、経済・・・多様なジャンルにおいて再評価をおこない、統合的に再考察をする必要がある。
そうでなければ、私たち日本人は、多極化する世界の中で形成されつつある新たな秩序から取り残されてしまうだろう。
トッド氏の同著は、そのように警鐘を鳴らしているように思えて仕方がないのだ。
「Amazon」HPより