【今日のタブチ】秩序を壊し、世界を揺らすトランプ――その裏に潜む「金融ゲーム」の正体

今朝の新聞を読んで、思わず開いた口がふさがらなかった。
トランプ大統領が、ベネズエラのマドゥロ大統領の影響下にあると指摘し、裁きを受けさせる理由にしてきた麻薬犯罪組織「太陽のカルテル」が実在していない可能性が出てきたというのだ。では、何を非難し、責めるためにマドゥロ氏を拘束したのか。根本からその行動が問われるのではないか。

もうひとつ、トランプ政権の愚行にもあきれる。デンマーク自治領グリーンランドの住民に一時金を支払う計画をしているという。一人当たり1万~10万ドル、総額は最大60億ドルにものぼる。もちろん、米国併合への機運を高めるための媚びへつらいだ。そんなことに税金を使われるアメリカ国民も、お気の毒だ。

この二つのニュースを貫いて見えてくるものは何か。国家戦略の失敗か?
いや、もっと冷徹な構造がある。どちらも国際秩序を揺さぶり、不安定化を演出している。秩序が揺らげば、市場は動く。株価は乱高下し、資源価格は跳ねる。情報優位を握る者にとって、それは巨大な利ザヤの源泉だ

トランプは「アメリカをよくする」などと考えていないのではないか。そう私は考える。
むしろ、世界を不安定にし続けることで、自分と取り巻きが利益を得る構造を作っているのではないか。
それは、これまでの彼の行動を見れば浮かび上がる。突発的なツイートで市場を揺らし、株価や為替を乱高下させた事例は数え切れない。貿易戦争を示唆する一言でS&P500が急落し、その後「交渉は順調」と言えば急騰する。このボラティリティは、情報優位を持つ者にとって格好の利ザヤの源泉だ。さらに、軍事行動や防衛費増額を打ち出すたび、防衛関連株は跳ね上がり、エネルギー銘柄も値を上げた。軍事企業ロッキード・マーチンノースロップ・グラマンの株価が数%単位で動いたのは偶然ではない。
ベネズエラの一件では、マドゥロ排除の裏で米企業や支持者が油田やCitgoの権益を手にする構図が透ける。Citgoとは、米国に拠点を置くベネズエラ国営石油会社PDVSAの子会社で、ルイジアナ州やテキサス州などの精油所、石油ターミナル、数千のガソリンスタンド網を有する巨大企業だ。グリーンランド買収案も同じだ。希少鉱物と戦略拠点を押さえるだけでなく、その報道が市場に与える衝撃は計算済みだろう。

こうした一連の動きは偶然ではない。ゴールは、資源と市場価値を握り、政治を収益装置に変えることだ。市場の揺らぎは、防衛関連株や資源銘柄を跳ね上げ、情報優位を持つ者に巨額の利ザヤをもたらす。こうした動きは、国家戦略の枠を超え、金融ゲームのロジックで世界を動かす不穏な試みである。

不安を煽る手法は、テレビ報道でも使われる。視聴者の恐怖心や不安感を募らせ、画面にくぎ付けにさせることで視聴率を稼ぐ。トランプの手法も同じだ。恐怖と混乱を演出し、その裏で利益を吸い上げる構造がある。注視が必要だ。

「テレ東BIZ」より

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