【今日のタブチ】米製兵器購入を視野に~トランプ氏の策略に〝まんまと〟はまった日本政府~経済交渉が安全保障の問題に抵触する危険性はないのか
今朝の新聞に日本政府がアメリカ製の兵器購入を視野に入れていることが載っていた。トランプ関税が緩和されたことや日本製鉄によるUSスチールの買収が急転直下決まったことなどは、この兵器購入に関係しているのか。もしそうだとすれば、関税交渉や企業買収といった経済問題が安全保障に抵触しないのか。もしそうだとすれば、由々しき問題だと思うが、どうなのか?
トランプ政権は鉄鋼・アルミニウムに対する関税を再導入したが、日本政府はこれに対し適用除外を求めて交渉を進めている。同時に、日本製鉄によるUSスチールの買収は、日米間の経済関係を強化する要素として位置づけられていて、日本側は対米投資額の増加をアピールすることで関税撤廃を求めている。
一方で、日本政府がアメリカ製兵器の購入を検討しているという報道については、現時点で直接的な関連を示す明確な証拠は見つからない。しかし、日米間の経済交渉において、日本側が関税撤廃を求める一方で、米国側が安全保障分野での協力を求める可能性は十分に考えらる。過去の事例を見ても、経済交渉と安全保障政策が連動することは珍しくないからだ。
そして今朝、「米製兵器購入も視野」に入れているという考えを赤沢経済再生担当相が示したことは、経済交渉が安全保障の問題に抵触する危険性を増長させると私は危惧している。
過去のそういった例には枚挙にいとまがない。
まず、思い出されるのは、「北朝鮮の核問題をめぐる米朝交渉」だ。
北朝鮮の核開発問題に関する米朝交渉では、経済制裁の緩和と安全保障政策が連動していた。米国は北朝鮮に対し、核開発を停止する代わりに経済制裁の一部を解除する提案を行い、交渉が進められた。
安全保障政策は国家の防衛戦略に基づくものであり、経済交渉の一環として扱うことは適切ではない。ましてや混同をしてはならない。切り離して考えるべきだ。安全保障を経済的な外交カードとして使うのには、私は反対だ。
私たち国民は自分の収めた税金が、兵器購入に使われることを良しとするのか。よく考えなければならない。
「日刊ゲンダイDIGITAL」より