【今日のタブチのおススメ書籍】佐藤満春氏著の『スターにはなれませんでしたが』は、〝ぜひ学生に読ませたい〟一冊

あるきっかけで、お笑いタレント、ラジオパーソナリティ、放送作家であり、お笑いコンビ・どきどきキャンプのツッコミ担当の佐藤満春氏とお会いした。佐藤氏は本学・桜美林大学の卒業生だ。そのときにご本人からいただいた著書を、夏休みにゆっくりと読もうと楽しみにしていた。『スターにはなれませんでしたが』という本だ。
先週は本学の学内学術振興研究費で五島列島の奈留島にフィールドワーク撮影に行っていたが、その旅の「お供」として本書を持参して、旅の道すがら読ませてもらった。

一言で言って、素晴らしかった。
本書は、佐藤氏の「自己肯定」への壮大なる物語とも言える。自己肯定感が低い(とご本人が思われている、実はそうではないと私は思っているが)佐藤氏は自分自身の「山」を作ることによってそれを克服してゆく、そのさまが手に取るようにわかって、興味深かった。
そして、いくつか心に残ったフレーズや言葉があった。

1.狭いジャンルでも「熱」が本物ならその道の一人者になれる☛その通りだと思った。やはりクリエイターは多少ワガママでも「こういうのが作りたい!」「こうじゃなきゃヤダ!」といった「熱量」が必要だ。
2.「嫌だ」と思うのがチャンス☛これは目からうろこの言葉だった。いわば「Try&Error」の実践編のような感じかなぁと理解した。

上記の1.と2.は、読者に「こんな俺でもできるんだ」と思わせてくれるパワーを感じた。佐藤氏の主張や文章にはパワーがある。それは正しく真っ当なことを言っているというのもあるが、気持ちや言葉に「迷い」がないからだと思った。「迷い」がないということは凄いことだ。
例えば、「人生で楽しいことはなかった」と言い切る迷いのなさ。しかし、それは同時に謙遜であり、その謙遜こそがパワーの源なのだと確信した。「自然体」で仕事ができる人物はやはり凄い!
昔、私が若いころ、よく先輩Dに「自分で自分をほめるな」「評価は他人がするものだ」言われていたことを思い出した。今年60になり赤いちゃんちゃんこだが、まだまだ若輩者だと感じさせられた。いろいろ、謙虚にもっともっと学ぼうと思った。
そんなふうに思わせてくれた本書は、とても大変貴重である。佐藤氏にお礼を言いたい。
素晴らしい本をありがとうございました。

そして同時に、佐藤氏に本書に書かれているようなことを本学の学生たちに〝熱く〟伝えてほしいと思った。
いまの学生は表向きでは〝熱がなく〟〝冷めている〟ように見えるが、実はそうではないと私は感じている。彼らは「表現の仕方がわからない」のだ。そんな彼ら、彼女らに「こんな俺でもできるんだ」と思うことの素晴らしさとそこから生まれるパワーを伝えてほしいと思った。

「Amazon」HPより

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