【今日の新聞から】「口コミ放置した」と医師らがGoogleを訴えているが……
医師90人が「口コミを放置したため被害を受けた」とGoogleを集団訴訟したという。治療費の踏み倒しを狙うケースもあるという。「口コミを笠に着て、治療費を踏み倒そう」とする輩など論外だが、街の開業医にとっては死活問題なのだろう。
だが、ちょっと考えてみたい。
例えば、飲食店などのお店の場合においても「口コミ評価」が大きく来客や売り上げを左右すると言われている。そしてそのことによって、店の方も集客や宣伝に繋がっているというメリット面も否めない。
もしかしたら、なかには「行ってもいないのにそのお店の評判を落とす目的で、低い評価を付けている人」もいるかもしれない。でも、そういうことをする行為がいいか悪いかはさておき、ネットの評価というのはそういうものだ。
私ももちろん、口コミなどの評価を参考にしてお店選びをしたり、商品を買ったりしている。だが、口コミを鵜呑みにはしない。当然、それらの口コミのなかには、「ガセ」や「デマ」「ホラ」が含まれているとわかっているからだ。
ネット情報というものは、そういった「ニセの情報」が必ず含まれているものなのだというリテラシーがあれば、過信することはない。
その論理で言うと、医院の口コミ評価もある程度は仕方がないのではないかと思うが、どんなものだろうか?
これだけ情報が氾濫する中で、個人による「ファクトチェック」はし切れない。おそらく、Googleにもそれは無理だろう。誰かを訴えたい気持ちもわかるが、それは矛先が違うような気がしてしまうのは私だけだろうか? もちろん、私が当事者の医師であれば「許せない」と思うだろう。だが、「本当にそう思った」「実際に嫌な体験をした」という人も、なかにはいるのではないだろうか。そういった評価までまとめて「誹謗中傷だ」と言ってしまうと、そういうシステム自体を封印してしまうことになる。それはそれで困る人もいるのではないだろうか。「情報を知りたい人」や「プロモーションをしたい人」の方法論を奪ってしまうことになるのではないかと危惧している。
「gooニュース」より