【今日の新聞から】歌舞伎町の元暴力団員がつくる「更生できる場所 帰る場所」
今朝の新聞では、元暴力団員で覚醒剤使用などの罪で服役した経験のある遊佐学氏(49)のことが紹介されていた。自分の経験から、少年院や刑務所を出た人が暮らす「自立準備ホーム」を作るという。この話を読んで、つくずく「人にはそれぞれ天から与えられた役割がある」ということを感じた。
遊佐氏の「役割」はそういうことなのだ。暴力団員になり、覚醒剤にも手を出して、幻覚作用から飛び降り自殺をし生死をさまよった。そういう「回り道」をしたからこそ、いま自分の「役割」を見つけることができた。ある種、遊佐氏は幸せなのだ。そして、世の中には「自分の役割」を見出せていない人がどれほど多くいるのか。もしかしたら、私自身もいまだ「自分の役割」を見つけられていないのかもしれない。
私は過去に日テレの「NNNドキュメント」で『障害プラスα~自閉症スペクトラムと少年事件の間に~』というドキュメンタリーを作った。そのときに医療少年院に入院している少年たちにインタビューをした。総じて、家庭や社会における環境に恵まれていない若者が多かった。遊佐氏の場合は恵まれていた。10代で暴走族に入るなど非行を重ねて少年院にも入った彼を両親は見捨てなかった。出所した自分を拒絶することなく受け入れてくれたと言う。
「帰る場所があったから今の自分がある」
「社会復帰をしたい人を絶対に見捨てたくない」
自分の役割を見つけた人の意志は強い。
「東京新聞デジタル」より