【嬉しい再会】白石和彌監督と編集技師・加藤ひとみ氏
「今日のタブチ」は嬉しい再会があった。ゼミに編集志望の学生がいて、ぜひ実際に編集技師として働いている方の話を聞いたり現場の作業を見てみたいとのことだったので、古くからお付き合いのある編集技師の加藤ひとみ氏にお願いしたところ、ご快諾いただき、プロデューサーや監督にも話をして訪問の許諾をとってくださった。ありがたいことだ。
加藤氏と私はドキュメンタリー作品で、私がディレクターを務めた2014年11月放送のNNNドキュメント’14『迷路の出口を求めてⅠ~ストーカーの心の奥底をのぞく』、同じく12月放送のNNNドキュメント’14『迷路の出口を求めてⅡ~ストーカー最新治療70日間』、そして2016年6月放送のNNNドキュメント’16『障害プラスα~自閉症スペクトラムと少年事件との間に~』の編集をやっていただいたのがご縁である。これらの作品はどれもギャラクシー賞奨励賞を受賞している。
加藤氏は普段は主に映画の編集をしている。このときは特別にドキュメンタリーの編集をお願いしたのだが、素晴らしい仕事ぶりだった。ディレクターである私の意図や希望を瞬時に理解するのはもちろんのこと、それをそのまま鵜吞みにするのではなくよりよい提案をしてくれる。プロ中のプロだ。ギャラクシー賞は加藤さんの編集のおかげで頂けたようなものだといまでも思っている。
白石和彌監督の華々しい作品歴は皆さんもご存じのところだ。白石監督とは加藤氏にお引き合わせを願った。その後も何度かテレビ東京や撮影所でお会いしたが、いつも柔和な雰囲気で、どこにあの硬派な作品の原動力があるのだろうといつも不思議に思っている。
今日は東映スタジオのデジタルセンターのオフラインルームに学生を連れてお邪魔して、すっかり学生を横に置いたまま、加藤氏や白石監督と昔話や近況報告に花が咲いた。
酒席ではないが、楽しいひと時だった。
こういった繋がりやご縁は本当に嬉しいものだ。
3月にテレビ東京を退職して以来、ことあるごとに直面するのが、私がテレビ局員でなくなるとたんにぱったりと連絡をくれない人と、こうやって私がテレビ局員だろうが何者だろうが関係なく接してくれる人の2タイプに大きく分かれるという事実だ。
縁の切れ目や断捨離というのはこういうことで起こるのだとつくずく実感している。と同時に、私的には本当に自分にとって必要な人を見極めるのによい「メジャー(測定基準)」となっているのだった。
いや~それにしても今日は楽しく、嬉しかった。こんな機会をくれた学生に感謝したい。