【活動報告】朝日新聞の取材を受けたコメントが掲載されました~伊藤詩織さんの性被害を描いた監督映画「許諾ない映像使用」と指摘

性被害を実名で訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏が監督したドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」について、「映像や音声が許諾なく使われた」と、訴訟の代理人を務めた弁護士が指摘している。伊藤氏側は、一部に許諾がないことは認めた上で、「(使用は)公益性がある」としている。
この件について、朝日新聞社会部のインタビュー取材を受けた。その記事が今日、掲載された。
いつものごとく、有料記事で恐縮だが、紹介させていただきたい。
https://digital.asahi.com/articles/AST1N2QF8T1NUTIL00HM.html

私はこの記事の中で、「米国のドキュメンタリー制作現場では、プライバシー侵害などが議論になる場合でも公益性を重視すべきだという意識が強い」ことを指摘している。過去を検証するドキュメンタリーの制作は最も難しい。「証言」と「過去映像」しかまともに使える素材がないからだ。だから、今回伊藤氏には、証拠映像の信憑性を保ちつつ性犯罪を告発するには、この方法しかなかったのだ。
この記事の後半は、中央大学教授の松野良一氏が「映像使用の許諾と取材源の秘匿は取材の基本中の基本」と述べているが、そうであることは百も承知だ。しかし、そういった基本的なセオリーが通用しない案件であったことが問題なのではないかと私は考えている。
「プライバシーと公益性」どちらを優先するのか、難しい問題だ。

「IMDb」HPより
https://www.imdb.com/title/tt30227076/

【活動報告】朝日新聞の取材を受けたコメントが掲載されました~伊藤詩織さんの性被害を描いた監督映画「許諾ない映像使用」と指摘” に対して2件のコメントがあります。

  1. 芋殻 木刀 より:

    証拠映像の映像を保ちつつ、性犯罪を告発するにはこの方法しかなかったと言っておられますが、
    ホテルに入館する防犯カメラ映像は、刑事事件でも証拠として提出されていますが、起訴するに足る証拠には、なっていません。なぜならタクシーから降りるのを愚図ったのは、タクシー内でゲロしてそれを片付けると言ったからであり、少しよろめきながらホテルに入館する映像は見方によっては、無理やり背中を押されて歩かされているように見えますが、彼女の主張は、性加害はホテルの部屋で約5時間半程就寝した後に行われたという事なので、刑事で起訴するに足る証拠とはなり得ないのです。Black Box Diaries は、映画鑑賞者に伝えるべき事実を伝えず鑑賞者を騙す為に製作されたと、この事件の詳細を知る人間から指摘されても仕方が無いでしょう。

    1. 田淵 俊彦 より:

      芋殻木刀様 コメントをいただきありがとうございます。芋殻木刀さんは映画をご覧になったのですね。それでしたらおわかりのように、ドキュメンタリーはニュースではありませんので、「事実」かどうかということより「作り手の意図」がちゃんと描かれているものですので、表現の自由のもとに「主張」は認められます。見る方がそれぞれの感覚で判断されていいのではないかと思います。見る人が「嘘だ」と思えば噓にもなり、「事実だ」と思えば事実になる。それが作品というものではないでしょうか。田淵 拝

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