【活動報告】東海テレビの「放送人研修会」に招かれて講演をおこなってきたー「外様」の話に耳を傾ける懐の深さ
本日12月16日は、名古屋の東海テレビから依頼を受け、「2024年度第1回放送人研修会」で講演をおこなってきた。タイトルは「番組制作に欠かせないものは何か?」である。
2011年8月4日、東海テレビは生情報番組「ぴーかんテレビ」で、岩手県産米のプレゼント当選者として「怪しいお米」「セシウムさん」と放送して大問題となった。それ以来毎年、外部から講師を招いて、「放送人研修会」を開いている。
コンプライアンス担当の方の話によると、「社会はこの事件を忘れることがない」という戒めの気持ちを持ち続けるという目的があるのだという。もちろん、やってしまったことは大変な過ちであるが、13年間も続けていることには感銘を受けた。
そして私の講演の内容だが、ジャニーズ性加害問題とドラマ「セクシー田中さん」問題という「2つの大きな問題」の考察を踏まえて、「テレビは生き残れるのか」という大きなテーマに切り込んだ。テレビの強みとオリジナリティを述べ、その2つを保持してゆくためには「リテラシー」を磨かなければならないことを強調した。そして「リテラシー」を磨くためには、「想像力(imagination)」と「リスクマネージメント能力」を身につけることが必要だと論じた。
そして何より私が感服したのは、当の東海テレビの方々の「聞こうとする姿勢」である。スタジオに100席以上は並べられたパイプ椅子。その最前列の私の目の前には社長、そして2列目までは取締役の面々。向かって左側には、報道局や制作局をはじめとした局長クラスがずらりと肩を並べて、私の話を聞き入っていた。講演中の「圧」といったら半端ではなかった。
そして講演が終わると、社長自ら私のところにやってきて深々と頭を下げた。コンプライアンス担当の専務は「これまでで一番、現場に密着した〝生の〟話が聞けた」と言ってくれた。
これまでの講師のラインナップを見ても、私のように数年前まで他局に在籍していた者はいない。「よくぞ呼んでくれた」とうれしく感じると同時に、東海テレビの懐の深さを伺い知った。私のようないわゆる「外様」の言うことを聞こうとする姿勢に、家康が外様大名を重用したことを思い出した。
今日一日で私は東海テレビのファンになった。また何か役に立てることがあれば呼んでほしい、正直にそう思った。
「東海テレビLINE Official Account」より