【活動報告】第62回ギャラクシー賞贈賞式に参列してきた~いまの時代を象徴した作品が勢揃い…なかでも私が注目したのは…

昨日6月2日㈪は、渋谷のセルリアンタワー東急ホテルでおこなわれた第62回ギャラクシー賞贈賞式に参列してきた。
これまでは、テレビ局の一員として「選ばれる側」であったが、今回はそうではない。2023年3月にテレ東を退職して本学・桜美林大学に入職した私は、「研究者」として放送批評懇親会の正会員となった。そして今回はそんな立場で参加したというわけだ。放送批評懇親会が毎月発行する『GALAC』の2024年6月号にも、巻頭インタビューコーナーの「THE PERSON」で取り上げていただいた。
そして今回、なかでも注目していたのは、入賞作にエントリーされていた3つの作品であった
1.このブログでも紹介したことがある私が敬愛する元TBSの名ドラマプロデューサー・八木康夫氏と同じくNHKの名ドラマプロデューサー・勝田夏子氏がタッグを組んで作り上げたドラマ『団地のふたり/こちらは東宝スタジオでの撮影時に私の田淵ゼミの学生たちが見学にお邪魔したご縁もある。ご存じのように、小泉今日子氏と小林聡美氏の二人の会話が「絶品」の作品だった。お二人の演技も素晴らしかったが、吉田紀子氏の脚本も見事だった。私も少しだけ、「大学の非常勤講師」という設定部分のお手伝いをさせていただいた。
2.テレ東のバラエティ『テレ東の人気企画を世界のテレビ局がやってみた!テレ東スマッシュヒッツ/これは、『家、ついて行ってイイですか?』『TVチャンピオン』『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』などのテレ東の人気企画をメキシコ&スリランカ&モンゴルのテレビ局が独自にリメイクして放送する様子に密着したバラエティ番組だ。放送のときから注目していたが、見事に「テレビ部門の優秀賞」を獲得した。テレビ番組を海外にコンテンツとしてフォーマットセールスするという、新しい発想が評価された。
3.マイベストTV賞 第19回グランプリを受賞したテレ東のドラマNEXT『ひだまりが聴こえる/これは障害者と健常者の境目にいる「難聴者」というとても難しいテーマを扱ったものだが、とても繊細に描かれていて好感を持った。私のテレ東時代の同僚であり、私が「最もドラマ愛が強い男」と呼んでいる山鹿達也氏がCPを務めている。山鹿氏は最近、人事異動で経理部に配属替えとなった。その人事を聞いて、私は「テレ東の上層部は愚かだなぁ」と思った。もったいない・・・。そういう意味でも山鹿氏の最後の花道となった。
「ホームドラマの王道」とも言える作品、海外にコンテンツとして売れる作品、あいまいな「境界」を描く作品、どれもいまの時代を象徴していると感じた。ギャラクシー賞はよく考えて選考されている。
本音を言えば、知っている人が受賞するとあって、どうしても駆けつけたかったという気持ちが強かった。八木氏、勝田氏、山鹿氏にどうしてもお祝いを伝えたかった。そんな理由は、面と向かっては照れくさくて言えなかったが・・・(笑)。

「東京新聞TokyoWeb」より
左から2人目が八木康夫氏

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