テレ東の「警察密着24時」制作中止……記者たちに大ブーイングだった社長会見に思うこと

テレビ東京の石川一郎社長は30日の定例記者会見で、昨年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』に不適切な内容や事実誤認があったとして謝罪した。だが、この記者会見での石川氏の「態度が不遜」で「偉そう」との批判が会見に参加した記者の間で噂されている。石川社長は「視聴者と関係者にご迷惑と誤解を与え、名誉を傷つけたことを深く反省し、心からおわび申し上げる」と述べる一方で、番組の継続について記者から質問されると、「あー、あれはやめる、やめる!」と言い放った。その態度がかなり高慢なイメージを与えてしまったようだ。
私はこの場にいなかったので推測を語るのは避けるが、もしそうだとしたらメディアの一員である放送局のトップとしてかなりヤバいことだ。と同時に、番組や一生懸命頑張ってきたスタッフがかわいそうだと思った。また、この番組を見てくれていた視聴者をもバカにする行為ということになってしまう。

テレ東によると、番組ではアニメ「鬼滅の刃」の商品に関する不正競争防止法違反事件を取り上げ、その際に事件で4人が逮捕されたと放送した。しかし、その後に3人が不起訴になった事実には言及しなかった。また、強制捜査後も問題の商品が通信販売などで売られていたと伝えたが、販売していたのはVTRに登場した会社ではなかったという。刺激的なナレーションの多用などの過剰な演出もあったとされている。
当事者が発表しているのだから、事実はそうだろう。だが、本当に必要なのは「なぜそういうことが起こったのか」という原因の解明と今後同じようなことが起こらないようにするための対策である。
記者会見では「きちんとした確認作業をしていなかったということに尽きる。我々のミス」と述べられたが、それでは十分な説明になっていないし、対応としてはマズい。「ミスしたのを認めたからいいだろう」と開き直っているように見られるからだ。
また記者会見で「社内関係者の処分も検討している」と述べたが、これも感心しない。社内の処分はあくまでも社の都合、こういった公の場で言うべきではなかった。テレ東はワンマン経営やトップダウンの組織なのかと思われてしまう。そしてなにより、現場を委縮させてしまう。失敗を避け恐れる者ばかりが増えてしまうからだ。

この『激録・警察密着24時!!』については今後、私の分析、考察をメディアで発表してゆくつもりである。ぜひお待ちいただきたい。

「テレビ東京」公式HPより

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