【今日の新聞から】他人の秘密を固めて売る「ひみつ屋」⁉アートの新しい発想
今朝の新聞のコラムに、他人の秘密を固めて売る、木村りべか氏の試みが掲載されていた。とてもユニークで素晴らしいと感じたので紹介したい。
木村氏は「あなたの秘密、固めます」という文言を記した小さな屋台を引いて「ひみつ屋」と名乗り、街を回っている。実はこれは「商売」というより「アート」であるという点がポイントである。通りすがりの人に「誰にも言えない秘密」を書いてもらってセメントで固め、それを他の人に売る。買った人は〝自分が知らない〟他人の秘密を覗き見ることができる。おもしろい発想だ。
「秘密は誰にも言えない」「秘密は他人に明かさないから『秘密』なのだ」という固定観念や常識、先入観を見事に「アンラーン」(打ち壊)したアイデアだ。
さらに素晴らしいと感じたのは、その「気づき」だ。自分が他人に秘密をうちあけたときに気持ちが楽になったことがきっかけだという。そしてそれをアートで表現できないかと考えたことも、わたしがいつも大学の授業でも述べている「考えをとめない」ということを実践していて感心した。
これまでに固めた秘密はすでに200個を超えるという。これはいかに「秘密を抱えている人」が多いかを物語っている数字だろう。調べてみると、木村氏は武蔵野美術大学造形学部でさまざまな形のアートを学んできている。
「アンラーン」「考えをとめない」この2つを心がけることで、新しい発想やアイデアは生まれてくるのだと実感した。
「木村りべかのアート活動」HPより https://ribekakimura.wixsite.com/page